シスコの決算発表:市場予想を上回る売上とAI需要の拡大

  • 2024年11月14日
  • 2024年11月14日
  • BS余話

シスコ・システムズ(CSCO)が発表した最新の決算は、売上が市場予想を6000万ドル上回り、調整後EPSが予想よりも4セント高い結果となるなど、投資家の注目を集めています。また、AI需要への積極的な対応が市場から好意的に評価されています。本記事では、シスコの財務結果や成長要因、そして今後の展望について詳しく解説します。

決算ハイライト:売上と利益が市場予想を上回る

シスコの2024年度第1四半期決算によると、同社の売上は138億4000万ドル、調整後の1株当たり利益(EPS)は91セントとなり、市場予想(売上:137億8000万ドル、EPS:87セント)を上回る結果でした。

また、第2四半期の売上見通しとして、137億5000万ドル〜139億5000万ドル(ウォール街予測:138億ドル)を発表し、通年の売上見通しも553億ドルから563億ドルへと上方修正しました。これらの予測の上方修正は、同社の堅調な成長を示しています。

減収の背景:前年同期との比較

前年同期に比べ、売上と利益は減少しましたが、これは前年同期に「過剰在庫の出荷」が行われたことが原因です。同社の最高財務責任者(CFO)、スコット・ヘレン氏は「特定の四半期に多く出荷すれば収益性が向上するのは自然なこと」と述べ、減収の理由を説明しました。

成長のカギ:AI投資とネットワーク需要

シスコの成長を支える主な要因として、以下が挙げられます:

  • AI市場への積極的な参入\
    シスコはAI対応のネットワークインフラを提供し、AI関連製品の需要拡大に応えています。チャック・ロビンスCEOは「AI対応インフラへの投資が加速しており、シスコは他社にはない優位性を持つ」と述べています。6月には10億ドル規模のAIグローバル投資ファンドを設立し、AIソリューションの開発に注力しています。
  • 企業向けネットワーク需要の回復\
    J.P.モルガンのアナリスト、サミク・チャタジー氏は「ネットワーク需要の回復サイクルはまだ初期段階」とし、シスコの目標株価を55ドルから66ドルに引き上げました。

株価の動向:上昇後の調整局面

11月13日の決算発表後、シスコの株価は時間外取引で3.5%下落しましたが、直近3カ月で約30%上昇しており、AI需要への期待が株価を押し上げています。

投資家へのメッセージ:シスコの成長ポテンシャルに注目

シスコは、AI市場への積極投資やネットワーク需要の回復を背景に、強固な成長基盤を築いています。投資家にとって注目すべきポイントは以下の通りです:

  • 売上見通しの上方修正:安定した成長が期待できる。
  • AI製品の需要増加:AI市場の拡大を享受できるポジション。
  • 堅調な株価上昇:直近の株価上昇は市場の期待を反映。

今後もシスコは収益性と成長性を示し続けることで、投資家にとって魅力的な選択肢となりそうです。

まとめ

シスコシステムズは、AI需要の拡大やネットワーク分野での成長ポテンシャルを活かし、引き続き市場の注目を集めています。投資家にとっては、長期的な視点でポートフォリオに組み込む価値がある銘柄と言えます。

*過去記事「市場が見せた強さ:エヌビディア下落でも続く米国株の好調、次に注目すべき4銘柄

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