ASMLの2030年売上見通し:AI需要で600億ユーロの可能性!

  • 2024年11月14日
  • 2024年11月14日
  • BS余話

ASMLホールディング(ASML)は、オランダを拠点とする先進的な半導体製造装置メーカーです。11月14日に投資家説明会を開いた同社は、人工知能(AI)による半導体需要の急増を背景に、2030年の売上見通しを再確認しました。同社は2030年までに売上高が440億ユーロ〜600億ユーロに達すると予想しており、長期的な成長の可能性を示しています。

この記事では、ASMLの業績、予測、および半導体市場への影響について詳しく解説します。

ASMLの2030年売上見通し:AI需要が主な原動力

半導体業界の主要なサプライヤーとして、ASMLは業界の先行指標と見なされています。同社は、AIチップの需要拡大により、2030年までに世界の半導体売上が1兆ドルに達すると予測しており、これは年間約9%の成長率を示しています。

ASMLはこの期間中、次の2つの主要市場での需要増加を見込んでいます。

1.先進ロジック:AIチップやスマートフォン向けチップの需要拡大。
2.DRAM:メモリ分野での成長。

その結果、ASMLの極紫外線(EUV)リソグラフィ装置の需要が大幅に増加する見通しです。

株主への還元:配当と自社株買い戻し

ASMLは株主還元を引き続き重視しています。同社は現在、2025年までに120億ユーロ規模の自社株買い戻しプログラムを実施しており、そのうち14%がすでに完了しています。

最高財務責任者(CFO)のロジャー・ダッセン氏は、「配当の増額と自社株買い戻しを組み合わせることで、株主に多額の現金を還元することを目指している」と述べています。

米中間の緊張がASMLに与える影響

ASMLの見通しには、米国政府による中国への半導体製造装置の輸出規制が影響を与えています。米国の圧力により、ASMLは最先端のEUVシステムを中国に輸出できず、次世代ツールについても追加の制限が適用されています。

CEOのピーター・ウェニンク氏は、中国での売上が2024年にはASMLの総売上の約20%を占めると予測しており、規制が続けば業績に影響を及ぼす可能性があります。

業績動向と市場回復の見通し

2024年第3四半期において、ASMLの受注はアナリストの予想を下回り、一部の投資家は半導体市場の不確実性を懸念しました。しかし、ASMLは業界の回復に自信を持っており、特に2024年と2026年に成長を見込んでいます。

また、ASMLは2030年までに粗利益率が56%〜60%の間に達すると予測しており、安定性へのコミットメントを示し、投資家にとって魅力的な要素となっています。

まとめ:AIが牽引するASMLの未来

ASMLは、AIチップ需要の拡大により、今後の成長に期待を寄せています。同社のEUVリソグラフィ装置は、AI、スマートフォン、データセンターの需要を満たす上で重要な役割を果たしています。

ASML株に注目すべき理由:

  • 長期的な売上成長予測(2030年には440億〜600億ユーロ)。
  • AI市場の急成長による恩恵。
  • 配当増額と自社株買い戻しによる株主還元。

半導体業界における重要なプレイヤーであるASMLは、今後も成長と成功を続ける見込みです。

*過去記事「ASML株価の急落:今が買い時か?長期的見通しを踏まえた投資戦略

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