エヌビディア（NVDA）の株価は、2024年に入ってから200%近い驚異的な上昇を遂げています。この急上昇の背景には、エヌビディアが提供するAI関連技術の成長があり、アナリストからの高評価も相まって、同社の将来性に対する期待が高まっています。
エヌビディアと初期iPhoneの類似点
米国の調査会社メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、エヌビディアの成長ポテンシャルをアップル（AAPL）の初期iPhoneに例えています。エヌビディアの創業者であるジェンスン・フアン氏が発表した次世代チップ「Blackwell」に、かつてiPhoneが市場に初めて登場したときのような期待感を抱いていると同氏は述べています。
「エヌビディアをここで見限るのは、あたかもiPhoneの1世代目や2世代目の時にあアップルを見限るようなものだ。」
このコメントは、エヌビディアが次世代AIチップでさらなる革新を起こすと期待されていることを示唆しています。「Blackwell」チップは、大手クラウド企業が消費電力とスペース効率を向上させ、AIモデルの推論において重要な役割を果たすことが期待されています。
AI市場の成長がエヌビディアに与える影響
エヌビディアの財務見通しについても、アナリストたちは非常に楽観的です。ライツェス氏は、AI市場の成長がエヌビディアの収益に大きなプラス効果をもたらすと予測しています。
特に、AIはまだ発展途上の分野であり、テキストから動画への変換、自律エージェント、自動運転車、視覚的インテリジェンスなど、計算集約型のユースケースが今後さらに増加する見通しです。これにより、クラウド企業や政府機関、大企業がAIへの投資を拡大し、エヌビディアの製品需要も増加することが予想されます。
「AIは一生に一度のチャンスであり、エヌビディアの業績向上に貢献する可能性が高い」
ライツェス氏はこう述べており、2025年には新チップ「Rubin」が本格的に投入されることで、エヌビディアがウォール街の期待を上回る業績を達成する可能性が高いと見ています。
強気な業績見通しとアナリストによる株価目標の引き上げ
エヌビディアの株価収益成長率は約0.8倍であり、ライツェス氏は目標株価を165ドルから185ドルに引き上げました。この成長率は、他の「マグニフィセント・セブン」に属する大型テクノロジー株の中でも低い水準であり、まだエヌビディア株には上昇の余地があると考えられます。
一方、パイパー・サンドラー証券のアナリスト、ハッシュ・クマール氏もエヌビディアを大型半導体株のトップピックに位置付けています。同氏は、AIアクセラレータの市場規模（TAM）が2025年までに700億ドル規模に成長すると予想しており、エヌビディアが市場の成長分の大半を獲得する可能性が高いと述べています。
「エヌビディアは、競合メーカーにシェアを譲ることなく成長を続けるだろう」
さらにクマール氏は、次世代チップ「Blackwell」が1月四半期の売上高に寄与し、同社の業績を予想以上に押し上げると見ています。同氏の予測では、エヌビディアは1月四半期に50億ドル〜80億ドルの売上を計上できる可能性があり、目標株価を145ドルから175ドルに引き上げました。
エヌビディアの今後の成長ポイント
エヌビディアが今後も成長を続けるためには、以下のポイントが重要です。
- AI市場の拡大と革新的なチップ開発：AI市場の成長に伴い、次世代チップの需要が増加。エヌビディアはその中心的存在であり続けると予想されます。
- クラウド企業との強力なパートナーシップ：大手クラウド企業の多額の投資が続く中、エヌビディアの製品が引き続き選ばれることは同社の収益安定化に寄与します。
- 新製品サイクルの確立：アップルのiPhoneのように、エヌビディアが市場に次々と革新的なチップを提供することで、持続的な需要を確保する可能性があります。
まとめ
エヌビディアは今後もAI市場の成長を追い風に、株価のさらなる上昇が期待されています。アナリストたちが予測するように、エヌビディアは次世代チップ「Blackwell」の成功とAI関連需要の増加により、引き続き業績を拡大していくと考えられます。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA