AI融資の力で急成長!アップスタートの株価が45%上昇した理由を徹底解説

アップスタート・ホールディングス(UPST)の株価は、売上が予想を上回り、AIによる融資プラットフォームの好調な業績を背景に急騰しました。11月8日の市場で株価は約45%上昇して80ドルに達し、市場から大きな注目を集めました。

第3四半期の決算内容が市場予測を上回る

アップスタートは、第3四半期の調整後損失を1株当たり6セントと報告し、ウォール街が予想していた15セントの損失を大幅に上回りました。これは、融資額の増加とコスト管理の改善によるものです。また、総売上は前年同期比で20%増加し、1億6200万ドルに達しました。この売上増加の主な要因は、融資件数の増加と新規パートナー銀行の導入によるものです。特に個人融資セグメントが成長を牽引し、大きな貢献を果たしました。この売上は市場のコンセンサス予想である1億4930万ドルをも上回り、投資家や市場関係者の期待に応えています。

CEOのデイブ・ジルアード氏は決算発表で、「融資額が前四半期比で43%増加し、調整後EBITDAも黒字に転換しました。当社は人工知能を活用したフィンテックのリーダーとしての地位を引き続き強化し、融資件数と顧客数の増加を通じて成長モードに戻っています」と自信を表明しました。

AIを活用した革新的な融資評価モデル

アップスタートは、AI技術を駆使して借り手の信用度を評価するユニークな融資マーケットプレイスを提供しています。従来のFICOスコアや他の信用情報に依存せず、人工知能を用いることで、より正確で包括的な信用リスク評価を実現しています。例えば、アップスタートのAIモデルは借り手の収入パターンや職歴、教育レベルなどを考慮し、従来の信用スコアよりも30%以上精度が高いとされています。この革新的なビジネスモデルは特に若年層や信用歴が浅い借り手に支持されており、同社の競争優位性を支える重要な要素です。

第4四半期の売上予測とアナリストの見解

アップスタートは、第4四半期の売上を約1億8000万ドルと予想しており、アナリストの予想である1億7530万ドルを上回る見通しです。この楽観的な予測は、融資件数の増加やAI技術の精度向上による信用リスク評価の改善が寄与しているためです。今回の決算報告はウォール街の好意的な評価を引き出し、J.P.モルガン証券のアナリストであるレジナルド・スミス氏とチャールズ・ピアース氏は、アップスタートの格付けを「アンダーウェイト」から「ニュートラル」に引き上げ、目標株価も30ドルから45ドルに改定しました。

同アナリストたちは「これは、2013年初頭に同社をカバーし始めて以来、アップスタートのコアビジネスについて示した中で最も楽観的な見通しである」と述べ、「融資件数の増加、コスト効率の向上、ならびに新規パートナーシップの拡大による改善傾向と売上性への加速的な道筋」が評価引き上げの主な理由としています。

ニーダムのアナリストチームも好調な四半期決算を称賛し、金利低下と顧客の債務処理能力の維持がアップスタートにとっての追い風になると指摘しました。ただし、株価が時間外取引で約20%上昇したことを考慮し、短期的には「ホールド」評価とし、金利の安定や株価の調整局面が見られるなどのより良いエントリーポイントを待つ姿勢を示しています。

投資家にとっての注目点とリスク

アップスタートの急成長は、AI技術とフィンテックの融合がもたらす新たな可能性を示していますが、市場における競争も激化しています。特に、ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)やアファーム・ホールディングス(AFRM)などが主要な競合相手となっています。同社が今後も成長を維持し、競争優位を確立できるかが投資家にとっての注目点です。また、金融業界のマクロ経済環境の変動や金利の影響も注意が必要です。具体的には、金利の上昇が融資需要を減少させる可能性があり、またマクロ経済環境の悪化が貸し倒れリスクの増加につながる懸念があります。

アップスタートは、今後もAIを活用して革新的な信用リスク評価を進め、フィンテック業界のリーダーとしての地位を確立することを目指しています。

*過去記事はこちら アップスタート UPST

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