2024年に入り、パランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価が急成長を見せ、年初来で234%もの上昇を記録しました。しかし、その評価額には多くのアナリストが懸念を示し、いくつかの投資機関による格下げが相次いでいます。この記事では、パランティア株の現状と今後のリスク、投資家が注目すべきポイントについて解説します。
パランティア株の評価額と急成長の背景
2024年の年初からパランティア株は力強いパフォーマンスを見せ、S&P 500種指数（SPX）の中でも今年度で2位の上昇率を誇ります。企業向けソフトウェアを提供するパランティアは、人工知能（AI）やデータ分析の先進的なプラットフォームとして注目を集めていますが、その急激な成長と評価額の高騰に疑問を呈する声も少なくありません。
ジェフリーズのアナリスト、ブレント・シル氏は「持続不可能な評価」との理由から、パランティア株を「ホールド」から「アンダーパフォーム」に格下げしました。今のパランティア株価を維持するには、数年にわたり40%以上の成長が求められると同氏は指摘しています。
パランティアの他の競合との比較と高評価額への懸念
パランティアはソフトウェア業界でも高額な評価を受けており、2位に位置するクラウドストライク・ホールディングス（CRWD）よりも倍以上の評価額となっています。現在、パランティアの株価は2025年の予想収益の38倍、2028年の予想収益の12倍に設定されているため、高い成長を求められる状況にあります。
投資家からの熱狂的な支持もあり、個人投資家がパランティア株の半分近くを保有しているとの報告もありますが、これは二面性を持つ要因です。小売投資家の支持により、業績が改善されなくてもマルチプル（倍率）の拡大が期待できる一方で、市場の関心が低下すると大幅な株価の圧縮も懸念されます。
パランティア経営陣の株式売却と成長加速の影響
シル氏によると、パランティアの経営陣は取引計画に基づき株式売却を加速させており、こうした動きは投資家にとってのリスク要因となる可能性があります。しかし、同時にThill氏は、パランティアの成長が加速している現状を「功績」として評価しており、特に同社が「人工知能プラットフォーム（AIP）ブートキャンプ」の立ち上げ後に得た勢いを過小評価していたと述べています。
ただし、今後の四半期での比較は厳しくなる見通しで、さらなる成長加速は難しいと考えられます。企業成長が投資家の期待に応えられるかが鍵となるでしょう。
アナリストの評価と今後の見通し
ファクトセットのデータによると、パランティアの株式をカバーしている22人のアナリストのうち、7人が「売り」相当の評価を付け、5人が「買い」、10人が「ホールド」としています。今年初めには米国みずほ証券とモンネス・クレスピ・ハルト＆カンパニーが評価額への懸念からパランティアを格下げしました。
パランティア株を検討する際の投資家へのアドバイス
パランティア・テクノロジーズは、AIを活用した先進的なソリューションを提供しており、デジタル化が進む現代において高い評価を受けています。しかし、評価額が高止まりしているため、安定的な成長を見込むにはリスクが伴います。短期的なトレンドに捉われず、長期的な業績推移と市場の需要動向を注視することが重要です。
まとめ
パランティアの株価は個人投資家の強い支持を受けて上昇していますが、高評価額に対する懸念も大きく、複数のアナリストが慎重な見方を示しています。投資家は、株価が維持されるために必要な成長率を見極め、リスク管理を徹底することが必要です。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR