AIチップ市場のリーダーであるエヌビディア(NVDA)の株価は11月7日に2.25%上昇し、史上最高値を更新しました。同社の株式時価総額は3兆6500億ドルに達し、チップメーカーとして初めての世界で最も価値ある企業の座を確固たるものにしました。
トランプ氏のホワイトハウス復帰と株式市場の動向
米国大統領選挙で共和党候補ドナルド・トランプ氏が当選したことがウォール街に影響を与えています。選挙後、投資家たちは減税や規制緩和への期待感から米国株式市場に対して楽観的な見方を強め、エヌビディアなどのハイテク銘柄に買いが集中しました。この影響で、7日にエヌビディアの株価は上昇しました。
AIチップ市場での優位性がエヌビディアの価値をさらに押し上げる
エヌビディアはAI(人工知能)チップ市場において圧倒的なシェアを誇ります。マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)などのテクノロジー大手は、AI技術の競争を激化させるためにエヌビディアの製品を利用し、AIコンピューティング能力を強化しています。この流れが、エヌビディアを米国株式市場で「最大の勝者」として位置付ける要因となっています。
11月に入り、エヌビディアの株価は既に12%上昇しており、2024年の年初からはその価値が3倍に膨れ上がっています。この驚異的な成長により、同社の企業価値はイーライリリー(LLY)、ウォルマート(WMT)、JPモルガン(JPM)、ビザ(V)、ユナイテッドヘルスグループ(UNH)、ネットフリックス(NFLX)の合計を上回るまでに達しました。
株式市場のハイテク3社の時価総額争い
エヌビディア、アップル(AAPL)、マイクロソフトの3社の間で、時価総額の競争が続いています。11月7日現在、エヌビディアの時価総額は3兆6500億ドルで、アップルを超える最高値を記録しました。アップルの株価も7日に2.1%上昇し、時価総額は3兆4400億ドルに達しています。また、マイクロソフトも株価が1.25%上昇し、時価総額は約3兆1600億ドルを維持しています。
11月20日の業績発表に向けての期待
アナリストらの予想によると、エヌビディアの11月20日の四半期決算発表では、前年同期比で80%以上の増益が予測されています。具体的には、四半期売上が329億ドルに達する見通しで、この売上成長が株価に更なる上昇圧力をかける可能性があります。
S&P 500テクノロジー指数の急騰と今後の見通し
トランプ氏の当選による市場の期待感は、S&P 500テクノロジー指数にも影響を与えました。選挙以降、同指数は2回の取引で4%以上の上昇を見せ、投資家心理の改善が見られます。このようなテクノロジー市場の盛り上がりの中で、エヌビディアは特に強いパフォーマンスを発揮し、米国株式市場全体の牽引役を担っています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA