エアビーアンドビー、第3四半期の売上が予想超え!最新業績を徹底解説

エアビーアンドビー(ABNB)は11月7日、ウォール街の予想を上回る第3四半期の売上高と需要指標を発表しました。このニュースはアフターマーケットで一時的に株価を押し上げましたが、最終的には売上見通しがアナリストの期待を完全には満たさなかったことから株価は若干下落しました。

第3四半期の売上高と利益

エアビーアンドビーの第3四半期の売上高は37億3000万ドルと前年同期比で10%増加し、ファクトセット調べのアナリスト予想37億2000万ドルをわずかに上回る結果となりました。しかし、純利益が減少していることも考慮に入れる必要があります。純利益は13億7000万ドル(1株あたり2.13ドル)で、前年同期の43億7000万ドル(1株あたり6.63ドル)から減少しました。前年同期の純利益が非常に高かったのは、パンデミック後の需要急増に伴う特別な売上があったためです。アナリスト予想の1株あたり利益2.14ドルには届かなかったものの、売上高の成長は引き続き顕著です。

予約数と総予約額

エアビーアンドビーのプラットフォーム上での予約された宿泊日数と体験数は8%増の1億2,280万泊に達しました。また、総予約額(プラットフォーム上でのサービスの総額、ホストの収益や手数料も含む)は10%増の201億ドルとなり、いずれもファクトセット調べの予想を上回りました。この増加は、利用者にとって選択肢の幅が広がり、より多くの宿泊オプションやユニークな体験が可能になることを意味します。また、ホストにとっても収益機会の増加につながり、エコシステム全体の成長が期待されます。この数字からも、エアビーアンドビーの利用が依然として高い水準であることがうかがえます。

第4四半期の見通しと課題

エアビーアンドビーは第4四半期の売上予想を23億9000万ドル〜24億4000万ドルとしていますが、中央値はファクトセット予想の24億2400万ドルを若干下回ります。また、同期間の予約数についても、前年同期より増加が見込まれるものの、売上を予約価値で割った暗黙の売上高は前年よりやや減少する見通しです。これは、前年の同期間に未使用のギフトカードが多かったことが一因と考えられます。

強い需要の兆しと「拡大市場」戦略の効果

エアビーアンドビーは第4四半期についても「コア市場と拡大市場の両方で強い需要が見られる」と述べており、引き続き成長が期待されています。「拡大市場」とは、エアビーアンドビーにとって新たに開拓している地域や成長可能性の高い市場のことを指しています。これには、従来の主要な市場(コア市場)に対して、まだ十分に浸透していないが成長が期待できる地域や国々が含まれています。
この「拡大市場」への注力が功を奏しており、第3四半期にはこれらの地域での予約宿泊数の平均成長率が主要市場の2倍以上に達しています。エアビーアンドビーは今後もこうした地域での成長を支えにしつつ、さらなるサービス拡大を目指す方針です。

株価と投資家への影響

7日の業績発表を受けてエアビーアンドビーの株価は時間外取引で一時10%上昇しましたが、その後下落し、取引終了時には4.5%の下落となりました。それでも2024年の株価は年初来8.3%の上昇を見せており、依然として投資家からの支持は高い状況です。

今後の注目ポイント:宿泊施設以外の分野への進出

エアビーアンドビーは今後、宿泊施設以外の分野にも進出を計画しており、具体的には長期滞在、ビジネストラベル、体験プログラムの拡充、さらには食事やイベントの提供などを視野に入れています。これが「エアビーアンドビーの次の章」になるとしています。新たな収益源を模索する動きは、ホストやゲスト双方にとって新たな体験と価値を提供することを目的としており、来年以降も注目が集まります。

旅行業界全体の動向

エアビーアンドビーを含む旅行業界は、パンデミック後の「リベンジ旅行」ブームが落ち着いた後も堅調な需要を維持していますが、旅行やその他の物価上昇が消費者行動に影響を及ぼす可能性もあります。また、ホリデーシーズンに向けて航空業界は座席数とフライト数が減少しているため、運賃の値上げが予想されます。今後も旅行業界全体の動向がエアビーアンドビーに影響を与えると考えられます。

まとめ

エアビーアンドビーの第3四半期業績は、予測を上回る売上高と強い需要の兆しを示しましたが、今後の課題も浮き彫りになりました。特に、「拡大市場」での成長と新たな分野への進出が今後の成長の鍵を握っていると考えられます。

エアビーアンドビーへの投資においては、旅行業界の変化や新たな収益源の開拓が成否を分ける要因として注目されます。

*過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB

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