エヌビディア(NVDA)は、最新の米大統領選の結果が報じられる中、11月6日の市場で4.1%急上昇しました。同時に、米国みずほ証券のアナリストはエヌビディアを引き続き半導体セクターのトップ銘柄と評価していますが、トランプ前大統領がホワイトハウスに復帰することが同社にどのような影響を与えるかが注目されています。
トランプ政権の復帰がエヌビディアに与える影響とは?
投資情報誌「バロンズ」は、ドナルド・トランプ氏が再びホワイトハウスに入ったとしても、エヌビディアの成長軌道が根本的に変わることはないと指摘しています。規制緩和は、データセンターの拡張を加速させ、エヌビディアの成長を後押しする可能性があると見られています。さらに、米国の関税政策によるチップ価格の上昇分をエヌビディアが転嫁できる能力も、業績への影響を軽減する要因とされています。
一方で、市場はトランプ氏の台湾政策にも注目しています。同氏は過去に、台湾の防衛に対して米国が対価を求めるべきだと示唆しており、エヌビディアがサプライチェーンでTSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)に依存していることから、台湾を巡る地政学的リスクが同社に影響を与える可能性が懸念されています。
米国みずほが半導体セクターのトップピックに選定
米国みずほ証券のアナリスト、ビジャイ・ラケシュ氏は、エヌビディアのファンダメンタルズの強さに注目し、11月の半導体セクターにおける最優良銘柄としてエヌビディアを選定しました。ラケシュ氏は、「AIサーバーの普及率は2023年の約1%から2027年には10%以上に成長し、エヌビディアは堅実なロードマップの実行により、市場を引き続き独占するだろう」と述べ、今後のAI分野での市場シェア拡大を見込んでいます。
特に、AIトレーニングおよび推論チップ市場でのエヌビディアのシェアは95%以上に達するとラケシュ氏は推定しており、この市場は2027年までに年平均成長率74%で成長し、4000億ドルを超える規模に到達すると見ています。これは、エヌビディアが提供するAI関連技術が企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、様々な産業分野での採用が拡大することによるものと考えられます。
他メーカーの動向と市場全体の状況
エヌビディアのAI市場での支配的な地位と今後の成長見通しに加え、他の半導体メーカーも引き続き堅調な成長を見込んでいます。AIやデータセンター関連の需要が高まる中、半導体市場全体がさらなる成長を遂げることが期待され、長期的な投資価値も高まっています。
まとめ
エヌビディアは、AI分野での支配的な地位を活かし、今後も成長を続ける見込みです。米大統領選の結果が同社の成長軌道に大きな影響を与える可能性は低いと見られていますが、トランプ政権の台湾政策が市場に与える不安要素として引き続き注目されています。
エヌビディアをはじめとする半導体メーカーへの投資は、データセンターやAI市場の拡大を背景に今後も有望視される一方で、地政学的リスクにも注意を払う必要があります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA