クラウド大手の設備投資とAI需要がエヌビディアの成長を加速させる

エヌビディア(NVDA)の株価は今週、約4%下落しましたが、依然として業界内でのリーダーシップを堅持しています。この下落は9月以来の初の週次下落となりましたが、クラウド業界でのAIハードウェアへの投資継続という追い風がエヌビディアにとって明るい見通しをもたらしています。アマゾンやマイクロソフトなどの大手クラウド企業がAIハードウェアに資本を注ぎ続けることで、エヌビディアの成長ポテンシャルはさらに高まっていると言えます。

クラウド大手の投資意欲とAIへの期待

アマゾン(AMZN)のCEO、アンディ・ジャシー氏は決算報告で、AWS(Amazon Web Services)を強化するために750億ドルの資本支出を計画していることを明らかにしました。その多くはAIハードウェア、特に生成AIへの投資です。同氏は、AI関連のハードウェアが従来のCPUよりも高価であるため、将来的な収益を見越して先行投資が必要と述べました。

また、マイクロソフト( MSFT)の最高財務責任者(CFO)であるエイミー・フッド氏も、AI需要に応えるためにAzureの処理能力を増強し、顧客のニーズに対応していくと述べました。マイクロソフトはOpenAIとの提携もあり、AIの成長が同社のクラウド収益にどのように貢献しているかが注目されています。これにより、Azureプラットフォームの拡大とAI市場での地位向上が期待されています。

エヌビディアへのプラス材料:クラウド大手の設備投資とAI需要

レイモンド・ジェームズのアナリスト、スリニ・パジュリ氏によれば、アマゾンやマイクロソフトなどのクラウド大手4社(アマゾン、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト)の設備投資額は前年同期比で59%増加しました。AI関連のハードウェアへの需要が高まることで、クラウドインフラの成長も期待できるとのことです。特にエヌビディアは、AI向けGPUとネットワーキングのリーダーシップにより、こうしたインフラ投資の恩恵を享受する立場にあります。

エヌビディア vs 競合他社:AMDとインテルの現状比較

一方で、エヌビディアの競合であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とインテル(INTC)は、それぞれ課題を抱えています。AMDの最新の決算報告はウォール街の期待を下回り、通期AI予測も限定的なものでした。これにより、AMDがエヌビディアの市場シェアに本格的に食い込むことに苦戦している状況が浮き彫りとなりました。

さらに、インテルはAI向けプロセッサ「Gaudi」における売上目標5億ドルの達成が困難であることを認めました。バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、これがインテルのAI戦略の失敗を示すものであると指摘しています。

リスク要因:スーパーマイクロとの関係

今週、エヌビディアにとってのマイナス材料の一つとして、サーバーメーカー、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)が監査法人の辞任を発表したことが挙げられます。SMCIはエヌビディアと提携していますが、遅延している年次報告書の提出が求められており、この問題が上場廃止リスクにつながる可能性が指摘されています。
*関連記事「スーパーマイクロの株価急落の全貌:投資家にとってのリスクとチャンス

今後の展望:エヌビディアの成長とAI市場の拡大予測

エヌビディアは、AI向けGPUとネットワークインフラにおけるリーダーシップを活かして、今後もクラウド業界の拡大に寄与する見通しです。AI技術の普及が加速する中で、同社の製品への需要は今後も高まると予測されています。また、クラウド業界の巨人たちがAI関連の資本投資を続ける中、エヌビディアの成長ポテンシャルはなお一層強化されることが見込まれます。

エヌビディアの株価は短期的には調整局面にあるものの、長期的な成長が期待できる点で投資家にとって魅力的な選択肢であることに変わりありません。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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