レディット(RDDT)は、2005年に設立されたアメリカのソーシャルメディアプラットフォームで、ユーザーがさまざまな話題についてディスカッションを行うコミュニティを提供しています。同社は、多様なサブレディット(特定のトピックに関する掲示板)を通じて、世界中のユーザー間で情報共有と交流を促進しています。
レディットは10月29日に、今年のIPO(新規株式公開)以来初めての四半期利益を計上したと発表し、市場を驚かせました。このニュースを受けて、同社の株価はアフターマーケットで約25%も急騰しました。特に売上高とデイリーアクティブユーザー数の大幅な増加が注目されており、後者は第3四半期において1億人近くに達しました。
四半期利益を達成 – GAAP基準で初の黒字化
レディットは、3月のIPO以来、初めてGAAP基準での利益を達成しました。同社は前年同期の740万ドル(1株当たり13セント)の損失から、2990万ドル(1株当たり16セント)の純利益を計上したと報告しました。これは、ファクトセットが調査したアナリストのコンセンサス予想である1株当たり7セントの損失を大きく上回る結果でした。
収益とユーザーの成長が寄与 – CFOが語る成功要因
レディットの最高財務責任者(CFO)ドリュー・ヴォレロ氏は、同社の収益性の原動力としてデイリーアクティブユーザー数、売上高、そして粗利益率の成長を挙げました。
「当社にとって本当に素晴らしい進歩です。あらゆる面で好調な四半期でした」とヴォレロ氏はMarketWatchに語り、今回の結果が同社にとっての重要なマイルストーンであると強調しました。
大幅な売上増加 – 売上高68%増の3億4840万ドル
レディットの第3四半期の売上は前年同期の2億750万ドルから68%増の3億4840万ドルとなり、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想3億1400万ドルを大幅に上回りました。デイリーアクティブユーザー数も前年の6600万人から9720万人に増加しており、これも成長の一因となっています。
粗利益率の向上と広告収入の増加
レディットの粗利益率は90.1%と、前年から280ベーシスポイント改善しました。また、広告収入も大幅に増加しており、第3四半期の広告収入は3億1510万ドルで前年同期比で56%の増加となりました。
ヴォレロ氏は、レディットのビジネスモデルが差別化されている点を強調しました。同社のプラットフォームは主にテキストベースで構成されており、動画コンテンツと比較して運用コストが低いこと、また他のソーシャルメディアプラットフォームのようにクリエイターに高額な報酬を支払う必要がない点が強みだと述べました。
第4四半期の見通し – さらなる成長への期待
第4四半期に関して、レディットは3億8500万ドル〜4億ドルの売上を見込んでおり、これはアナリストのコンセンサス予想の3億6000万ドルを上回ります。また、1億1000万ドル〜1億2500万ドルのEbitda(利息・税金・償却前利益)を予想しています。第3四半期の調整後Ebitdaは9410万ドルで、前年同期の690万ドルの損失から大きく改善しました。
レディットの株価 – 上場以来92%の上昇
レディットの株価は、3月のIPO以来約92%上昇しています。同期間におけるS&P 500指数の上昇率は11.3%であり、レディットの成長が非常に際立っていることが分かります。
レディットの成功要因と今後の展望
レディットの成功の背景には、ユーザーエンゲージメントの増加や広告収入の成長といった要因が挙げられます。テキスト主体のコミュニティベースのプラットフォームとして、他のソーシャルメディアとは異なる戦略を展開し、費用対効果の高いビジネスモデルを構築しています。今後、第4四半期の見通しも明るく、引き続き成長が期待されています。
*過去記事「レディットIPOの影響:新規株式公開市場に吹く新風」