10月29日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄

10月の消費者信頼感が2023年1月以来の高水準に達したことを背景に、10月29日(火)の米国株式市場は概ね上昇しました。投資家は経済回復への期待と、Googleの親会社であるアルファベット(GOOGL)の決算発表に注目しています。

以下は、29日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

フォード・モーター (F)

株価変動: -8.44%
詳細: フォード・モーターはアメリカの大手自動車メーカーであり、電動化や自動運転技術への投資を進めています。同社は第3四半期の営業利益が26億ドルとアナリスト予想に一致しましたが、株価は8.4%下落しました。通年の営業利益予想を100億ドルとし、7月の予測レンジ100億ドル〜120億ドルの下限に設定しています。売上高は前年同期比5%増の462億ドルとなりましたが、電気自動車事業では12億ドルの損失が発生し、業界の価格圧力がコスト改善を相殺しました。

VF コーポレーション (VFC)

株価変動: +27%
詳細: VFコーポレーションは、Vans、North Face、Timberlandなどの人気ブランドを保有するアメリカのアパレル企業です。同社は第2四半期の調整後利益が1株あたり60セントと、アナリスト予想の38セントを大きく上回りました。売上高も予想を超える27億6000万ドルを達成し、アメリカ地域のプラットフォームの成長が順調です。CEOのBracken Darrell氏は、Vansブランドの業績改善も強調しています。

DRホートン (DHI)

株価変動: -7.2%
詳細: DRホートンは、米国で最大級の住宅建設業者で、低価格帯住宅を中心に建設しています。同社の第4四半期の売上は100億ドルとなり、ウォール街予測の102億ドルを下回ったため、株価は7.2%下落しました。CEOのデビッド・オールド氏によると、住宅ローン金利は今年初めのピークから低下しているものの、購入希望者は2025年の金利低下を期待しているため、市場環境は依然厳しい状況です。

ファイザー (PFE)

株価変動: -1.4%
詳細: ファイザーは米国を拠点とする世界的な製薬会社で、医薬品やワクチンの開発をリードしています。第3四半期の調整後利益が1株あたり1.06ドルと、アナリスト予想の61セントを大幅に上回りました。売上高は前年同期比31%増の177億ドルを記録し、2024年のガイダンスも引き上げられましたが、株価は1.4%下落しました。

ソーファイ・テクノロジーズ (SOFI)

株価変動: -6.4%
詳細: ソーファイ・テクノロジーズは、個人向けローンや投資サービスを提供する米国のフィンテック企業です。同社は4四半期連続の黒字を達成し、アナリスト予測を上回る業績を発表しましたが、プレマーケットでの上昇に反し、株価は6.4%下落しました。
*関連記事「ソーファイ、第3四半期で予想を大幅超え – 株価も上昇中

ペイパル・ホールディングス (PYPL)

株価変動: -4%
詳細: ペイパルは、電子決済プラットフォームを提供する米国の大手フィンテック企業で、オンライン取引での広範な利用が特徴です。第3四半期の調整後利益が予測を上回り、通年での調整後1株当たり利益が10%台後半の成長を見込んでいます。これは従来の10%台前半の成長予測を上回るものですが、株価は4%下落しました。

*関連記事「ペイパル第3四半期決算:市場の厳しい反応と株価への影響

ロイヤル・カリビアン (RCL)

株価変動: +3.2%
詳細: ロイヤル・カリビアンは世界第2位のクルーズ会社で、豪華クルーズ旅行の提供で知られています。同社の第3四半期の売上が予想を上回り、通年の業績見通しを上方修正しました。一方、ハリケーンの影響により、第4四半期の見通しは若干下方修正されましたが、株価は3.2%上昇しました。

クロックス (CROX)

株価変動: -19.2%
詳細: クロックスは、カジュアルで機能的なフットウェアのメーカーで、特にそのユニークなデザインと快適さで人気です。同社の第3四半期の売上は予想を上回ったものの、通年の売上高成長率は3%程度にとどまり、ガイダンスの下限3%~5%の範囲に満たない見通しです。HeyDudeブランドの売上は通年で約14.5%減少する見込みです。

トランプ・メディア & テクノロジー・グループ (DJT)

株価変動: +8.8%
詳細: トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは、ソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」を運営し、ドナルド・トランプ前大統領が過半数を所有しています。同社は29日の取引で8.8%上昇し、前日の22%の上昇を受け、注目が高まる中での取引停止も話題となっています。

ケイデンス・デザイン・システムズ (CDNS)

株価変動: +12.5%
詳細: ケイデンス・デザイン・システムズは、半導体設計ソフトウェアを提供する企業で、電子デザインオートメーション分野で広く利用されています。第3四半期の調整後利益が1株あたり1.64ドル、売上高が12億2000万ドルとなり、アナリスト予想を上回りました。同社はまた、会計年度の見通しも引き上げています。

F5 (FFIV)

株価変動: +10%
詳細: F5は、マルチクラウドアプリケーションサービスを提供する米国のIT企業で、デジタルインフラを支える製品を提供しています。第4四半期の売上が予想を上回り、調整後利益1株あたり3.67ドル、売上高7億4700万ドルを達成しました。好調な業績を受け、株価は10%上昇しました。

スタンレー・ブラック・アンド・デッカー (SWK)

株価変動: -8.8%
詳細: スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは、電動工具や家庭用製品の大手メーカーで、プロから一般消費者まで幅広い顧客層に製品を提供しています。同社の第3四半期の売上高は前年同期比5%減の37億5000万ドルにとどまり、アナリスト予想を下回りました。これにより株価は8.8%下落しました。

BP (BP)

株価変動: -5.44%
詳細: BPは、イギリスに本社を置く多国籍エネルギー企業で、石油・ガスの上流から下流まで幅広く事業を展開しています。第3四半期の基礎となる再調達原価利益が22.7億ドルとなり、前年同期の32.9億ドルから減少したものの、アナリスト予想の20.5億ドルを上回りました。精製マージンの低下や原油価格の下落が収益に影響し、米国上場のBP株は5.4%下落しました。

アルファベット (GOOGL)

株価変動: +1.78%
詳細: アルファベットは、検索エンジンや広告を中心としたテクノロジー企業Googleを傘下に持ち、デジタル広告分野での収益が堅調です。第3四半期の調整後利益が1株あたり1.84ドル、売上高が863.7億ドルになるとの予想がされ、検索関連の売上増加が期待されています。株価は1.8%上昇し、年初来で21%の株価上昇を記録しています。

*過去記事 株価変動

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