ロブロックス(RBLX)の株価は2024年に入り6%下落するなど厳しい状況にありますが、ウェドブッシュのアナリストたちはその成長の潜在力に注目しています。同社は、ロブロックスを「ベストアイデアリスト」に加え、目標株価を49ドルと設定しました。同社株は42ドルあまりで取引されており、17%の上昇を見込む価格となっています。このような動きの背景には、同社が開発者向けに発表した収益分配の改善が大きな要因とされています。
ロブロックスの開発者向け収益システム:収益シェアが向上
9月、ロブロックスは開発者向けの新しい収益システムを発表しました。これにより、開発者はプラットフォーム上で高額な体験を販売することで、より多くの収益を得られるようになりました。価格帯が9.99ドル、29.99ドル、49.99ドルの体験に対して、開発者はそれぞれ50%、60%、70%の収益シェアを受け取ることが可能になります。この新しいシステムは、以前の収益率30%と比較して大幅な改善となり、今後、より多くの開発者がロブロックスプラットフォームに参入し、ユーザーベースの拡大が期待されています。
ウェドブッシュのアナリストは、この収益システムが市場で好影響を及ぼし、2024年には顕著な成長が見られると予測しています。また、この新制度が収益性の向上にもつながり、長期的なビジネスモデルの強化をサポートすると述べています。
マイク・ガスリーCFOの退社とヒンデンブルグ・リサーチの指摘
ロブロックスの株価は今年、いくつかのニュースが原因で不安定な動きを見せました。8月にはCFOのマイク・ガスリー氏が退社したことが発表され、これにより株価が影響を受けました。また、10月8日にはヒンデンブルグ・リサーチが発表した空売り報告書が大きな話題となりました。この報告書では、ロブロックスがユーザー指標を水増しし、子供の安全に関して懸念を抱かせる要因があると指摘されています。
ロブロックスは、この報告に対し「全面的に否定する」と声明を発表し、ブログ記事を通じて安全対策の方針についても説明しました。同社はまた、一部の安全対策を改善しており、特に子供や若年層ユーザーの保護に注力していると強調しています。
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ロブロックスの第3四半期決算発表とアナリストの評価
ロブロックスは10月31日に第3四半期の決算を発表する予定であり、多くのアナリストが注目しています。ファクトセットによると、同社をカバーする34人のアナリストのうち21人が「買い」と評価し、11人が「保留」、2人が「売り」と評価しています。第2四半期の予約は9億5520万ドルで、前年同期比で22%増加しました。ウォール街は、この成長が継続するかどうか注視しており、第3四半期の発表が今後の株価にどのような影響を与えるかに関心が集まっています。
成長の潜在力と課題に直面するロブロックスの今後の展望
ウェドブッシュ証券のような強気な見方が示される一方で、ヒンデンブルグ・リサーチによる空売り報告書やCFOの退社といった課題も存在しています。しかし、ロブロックスの収益シェア向上による開発者へのインセンティブの増加がプラットフォームの成長を後押しし、ユーザーの増加とともに企業価値の向上が期待されています。ロブロックスは、これらの課題を乗り越え、ゲーム業界での更なる躍進を目指す企業として、今後の動向に注目が集まります。