アップル（AAPL）の最新iPhoneに対する需要予測が注目を集めています。台湾の有力アナリスト、ミンチー・クオ氏（TFインターナショナル証券）は、iPhone 16の出荷見通しに弱気な予測を示し、アップル株に影響を与えています。本記事では、クオ氏の見解や他アナリストの意見、さらにアップルのAI戦略の今後について解説します。
iPhone 16の発注数削減とその影響
クオ氏によれば、アップルは今年第4四半期と2025年前半に予定していたiPhone 16の発注数を約1,000万台減らす見込みです。これは、クオ氏がアップルのサプライチェーンデータを分析した結果から得た情報です。アップルは第4四半期に約8,000万台のiPhoneを生産する見通しで、昨年の8,400万台から減少する見込みです。さらに、2025年の第1・第2四半期でも昨年比で数百万台の減少が予想されています。
この削減は、特に廉価版である非Proモデルの需要の伸び悩みが一因とされています。クオ氏は短期的な販売影響は限定的であるとしながらも、2025年上半期にはiPhoneの売上に圧力がかかる可能性があると予測しています。
iPhone 16の需要をめぐるアナリストの見解
アップルのiPhone 16に対する需要見通しについては、他のアナリストの間でも意見が分かれています。UBSは2023年9月期のiPhone販売台数が前年同期比で横ばいと予測する一方で、J.P.モルガンは、納期状況から需要はiPhone 15と同水準になると見ています。こうした見解の違いは、AIへの消費者の関心がiPhone購入にどれだけ影響を与えるかをアナリストが引き続き注視していることを示しています。
アップルのAI戦略と未来展望：Apple Intelligenceの可能性
クオ氏は、アップルがデバイス内AI分野で優位性を持つと述べ、将来的には「Apple Intelligence」というブランドが有料サービスとして市場に定着すると予測しています。しかし、AIの進展に伴い、さらなるハードウェア革新がiPhone出荷台数の増加に不可欠であるとも指摘します。アップルが今後どのようにAI戦略を展開し、ユーザーの関心を引き続き引きつけるかが鍵を握りそうです。
ティム・クック氏と中国における協議
アップルCEOのティム・クック氏は、北京で中国政府高官と会談し、同社のネットワークデータセキュリティやクラウドサービスについて意見交換を行いました。この場でApple Intelligenceの中国展開についても話し合われた可能性があり、クック氏が中国市場でのAI強化に意欲を示したと考えられます。今後、アップルが中国市場でどのようにAI分野を拡大していくのかに注目が集まっています。
アップルとゴールドマン・サックスに対する罰金措置
さらに、米消費者金融保護局（CFPB）は、Apple Cardに関連する顧客対応の不備を理由に、アップルに対して2,500万ドル、ゴールドマン・サックス（GS）に対して6,500万ドルの罰金を科しました。これは、両社が顧客の苦情対応を適切に行わなかったことに起因するものです。
まとめ
アップルの最新iPhone 16に対する需要懸念と、同社のAI戦略への期待が交錯する中、株式市場では投資家の注目が高まっています。短期的にはiPhone販売への影響は限定的と見られますが、長期的にはApple Intelligenceの展開が収益成長にどう寄与するかが焦点となります。今後もアップルの株価や市場動向を注視することが重要です。
＊過去記事はこちら アップル AAPL