AIブームが追い風!SKハイニックスとマイクロンのメモリーチップ戦略が加速

  • 2024年10月24日
  • 2024年10月24日
  • BS余話

韓国のメモリーチップメーカー、SKハイニックスは、人工知能(AI)ブームの恩恵を大きく受け、2024年第3四半期に過去最高益を達成しました。特にAIデータセンター向けの需要が高まり、プレミアム製品である高帯域幅メモリ(HBM)の売上が急増しています。この状況は、同社の米国の競合企業であるマイクロン・テクノロジー(MU)にとってもポジティブな兆しと捉えられています。

第3四半期の業績:SKハイニックスが好調

SKハイニックスは、2024年第3四半期において純利益が前期比40%増、売上高も7%増となりました。特にAI関連の需要が成長の鍵となり、HBMチップの売上は前期比で70%以上、前年同期比で4倍以上の増加を記録しました。AI技術が進化する中、エヌビディアのような先進的なプロセッサの構成要素として、HBMチップは今後も市場で重要な役割を果たすと考えられます。

HBM市場におけるリーダーシップ

調査会社トレンドフォースによると、SKハイニックスはHBM市場で50%近いシェアを占めており、リーダーとしての地位を確立しています。一方、競合のマイクロンも2025年までに20~25%の市場シェアを目指しているとされています。現時点でマイクロンはHBMの生産能力が2025年いっぱいまで売り切れ状態であることから、今後の成長が期待されています。

サムスンの苦戦とマイクロンへの期待

一方で、もう一つの韓国の巨頭であるサムスン電子は、AIチップメーカーの主要サプライヤーとしての地位を確立するのに苦戦しています。これは、SKハイニックスやマイクロンにとって市場シェア拡大のチャンスとなる可能性があります。

DRAMとNAND市場も回復

さらに、SKハイニックスはDRAMとNANDチップの平均販売価格が前期比で10%台半ば上昇したと発表しました。これもまた、マイクロン・テクノロジーにとって良い兆候です。DRAMはデスクトップコンピュータやサーバーで広く使用されており、NANDはスマートフォンやソリッドステートハードドライブに組み込まれています。この価格上昇が、メモリーチップ市場全体の回復を示しています。

マイクロンの株価と今後の展望

10月24日のプレマーケットでは、マイクロンの株価が1.8%上昇し、SKハイニックスの株価も韓国現地市場で1.1%上昇しました。この上昇は、AI関連製品の需要が続く中、両社に対する投資家の期待が高まっていることを示しています。

まとめ:メモリーチップ市場の今後

AI技術の進展により、メモリーチップの需要は今後も堅調に推移すると予想されます。特にSKハイニックスとマイクロンのような企業がリードするHBM市場は、AIアクセラレータの重要な構成要素として成長を続けています。投資家にとって、これらの企業はAI関連株として注目すべき存在であり、今後の動向から目を離せません。

*過去記事「J.P.モルガンが選ぶ!今後の成長が期待される5つの半導体銘柄

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