決算発表シーズンを前に、半導体関連銘柄への投資を検討している投資家にとって、慎重な判断が求められています。サスケハナによると、すべての半導体企業が好調な業績を上げているわけではありませんが、いくつかの企業はAI関連の需要に支えられた成長を見込んでいます。特に注目すべき企業として、同社は以下の3つの銘柄を推奨しています。
エヌビディア（NVDA）
エヌビディアは、AIおよびデータセンター市場におけるGPUの圧倒的な需要によって、引き続き好調な成長を見せています。アナリストのクリストファー・ローランド氏は、同社の目標株価を160ドルに据え置き、将来的な成長見込みに強い自信を示しています。エヌビディアの株価は10月21日に4.14%上昇し、143.71ドルとなっています。
特に注目されるのは、AIサーバー向けのエヌビディアGPUに対する需要の高まりです。AI技術の進展とともに、クラウドコンピューティング業界全体でハイパースケーラー（大規模なクラウドプロバイダー）の設備投資が増加し、エヌビディアの成長を後押しすることが予想されています。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA
インピンジ（PI）
インピンジもまた、予想を上回る成長を見込まれている企業のひとつです。ローランド氏は、インピンジの目標株価を従来の215ドルから260ドルに上方修正しました。これは、同社の成長予測が強気であるためです。21日の取引で、インピンジの株価は4%上昇し、227.14ドルとなっています。
インピンジは、RFID（無線周波数識別技術）分野でのリーダー企業として、さまざまな業界でのトラッキングやデータ収集の需要を支えています。特にAI関連のデータセンターや物流業界での応用が拡大しており、今後もさらなる成長が期待されています。
＊過去記事「1000ドルの投資で人生を変えてくれる3つの銘柄」
ルメンタム・ホールディングス（LITE）
ルメンタムは、AIに関連したレーザーおよびネットワークコンポーネントの需要が引き続き堅調であることから、目標株価を70ドルから80ドルに引き上げられました。同社の製品は、AIデータセンターの拡大に欠かせない重要な部品を提供しており、今後もその需要は続くと予想されています。しかし、21日の取引では1%下落し、65.56ドルとなりました。
市場全体の見通し
AI関連の需要は引き続き堅調ですが、一方で自動車および産業分野における半導体需要は勢いが鈍化し始めているとの指摘もあります。特に、PC市場はAIテーマによる期待通りの成長を見せておらず、2024年のPC出荷台数は前年比約2%の増加に留まると予想されています。
それでも、AIデータセンターやクラウドサービスにおける需要は今後も強く、特にエヌビディアのGPUやルメンタムのネットワークコンポーネントに対する需要が引き続き拡大していくことが見込まれています。
まとめ
AI関連の需要が堅調な今、エヌビディア、インピンジ、ルメンタムは成長ポテンシャルを秘めた銘柄です。しかし、半導体市場全体が直面する逆風にも注意が必要です。特に、自動車やPC市場に関連する企業の業績は停滞が予想されるため、AI関連分野の需要動向を注視しつつ、ポートフォリオのバランスを見直すことをおすすめします。