エヌビディア( NVDA)は、ウォール街のアナリストたちの強気な見方が続く中、10月21日の米国市場で、終値ベースで過去最高値を更新しました。株価は前日比4.14%上昇して143.71ドルに達し、先週の終値での過去最高値である140.89ドルを大きく上回る展開となりました。
アナリストたちの「買い」推奨で上昇
エヌビディア株の上昇は、ウォール街のアナリストたちが同社株に対して強気の評価を継続していることが背景にあります。AI市場に対する期待が高まる中、バンク・オブ・アメリカは同社株の目標株価を従来の165ドルから190ドルに引き上げ、投資調査会社CFRAも目標株価を139ドルから160ドルに上方修正しました。ブルームバーグがまとめたアナリストのコンセンサス予想では、今後12か月間でエヌビディアの株価は148.37ドルに達すると予測されています。
エンタープライズAI分野における強み
バンク・オブ・アメリカのアナリストであるヴィヴェク・アーヤ氏は、エヌビディアがエンタープライズAI分野での強みを持っており、マイクロソフト(MSFT)やアクセンチュア(ACN)との提携関係が同社の成長を後押ししていると指摘しています。同氏は、「エヌビディアはエンタープライズAIのハードウェアおよびソフトウェアの最適なパートナーである」と述べ、企業向けAI市場における同社の優位性を強調しました。
AI市場の成長とエヌビディアのリード
ウェドブッシュ証券のアナリストであるダン・アイブス氏もエヌビディアに対して強気の見方を示しており、AIインフラ市場が2027年までに10倍に成長し、企業のAI資本支出が1兆ドルに達すると予測しています。アイブス氏は、「AI革命が進展し続ける中、ハイテク株の強気相場がさらに拡大する可能性がある」とし、2025年までにハイテク株が20%上昇する可能性があるとしています。
AI関連株全体を押し上げる好材料
エヌビディアのAIチップに対する需要は、「異常なほど高い」とCEOのジェンスン・フアン氏はコメントしており、特に大手テクノロジー企業がデータセンターで生成AIソフトウェアを稼働させるためにエヌビディアのチップを利用しています。また、同社の業界パートナーであるマイクロン・テクノロジー(MU)やTSMC(TSM)が、最近の決算報告でウォール街の予想を上回ったことも、エヌビディアを含むAI関連株全体の上昇を後押ししています。
エヌビディアの成長予測とリスク要因
AIチップ市場は、2024年に99%、2025年には74%の成長が予測されています。しかし、直近の四半期報告に対する投資家の期待が高まる一方で、わずかな成長鈍化でも株価が急落する可能性があります。ブルームバーグが調査したウォール街のアナリストたちは、エヌビディアの第3四半期の1株当たり利益を0.74ドル、売上を331億ドルと予想しており、前年同期比でそれぞれ84%と83%の増加となる見込みです。
アナリストの評価とエヌビディアの今後の見通し
エヌビディアの株式に対して「アウトパフォーム」と評価するアナリストは67人にのぼり、7人が「ホールド」、1人が「売り」を推奨しています。AI分野におけるリーダーシップを背景に、エヌビディアは今後も強気相場を牽引する可能性が高いと考えられますが、成長鈍化に対するリスクにも注目が必要です。
今後、エヌビディアの決算報告やAI市場の動向次第で、同社株のさらなる上昇が期待される一方、短期的なボラティリティに備えた慎重な投資戦略が求められます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA