エヌビディア(NVDA)の株価は、先週、過去最高値を更新しました。これは、同社が持つ3桁の売上成長という実績に裏打ちされたものです。エヌビディアは、世界最高性能のチップを始め、ソフトウェアやその他のサービスを提供し、AI(人工知能)ブームをリードする企業として知られています。
しかし、このような驚異的な成長にもかかわらず、長期的にこのペースを維持できるかどうかについて、一部の投資家が懸念を示しています。低価格の製品を提供する他のチップメーカーが、エヌビディアの市場シェアを脅かす可能性や、価格競争によって利益率が低下するリスクも指摘されています。
エヌビディアの株価は、2024年に入ってから約179%上昇していますが、こうした懸念が業績に影響を与える場面も見られました。それでも、同社の長期的な成長を支える可能性が高い、重要な3つの要素が存在します。本記事では、否定論者が見落としているかもしれないこれらの要素について詳しく解説します。
エヌビディアとAIブーム
エヌビディアは当初、主にゲームユーザー向けにグラフィックプロセッシングユニット(GPU)を販売していました。しかし、その後、GPUがゲーム以外の分野でも革命をもたらす可能性に気づき、事業領域を広げました。特に、AIが急速に成長する中で、エヌビディアのストーリーは大きく発展しました。
エヌビディアのGPUは、複数のタスクを同時に処理する性能があり、AIモデルのトレーニングや推論といったAIの主要なタスクにおいて最適なツールです。現在、エヌビディアはAIチップ市場で80%のシェアを持ち、リーダーシップを確立しています。さらに、チップだけでなく、AIの全プロセスを支える幅広い製品やサービスを展開しており、顧客はエヌビディアからすべてを手に入れることができます。
エヌビディアの驚異的な粗利益率
エヌビディアの第一の強みは、その驚異的な粗利益率です。過去5年間にわたり、同社の粗利益率は60%以上を維持しており、直近の四半期では70%を超えています。さらに、2024年第3四半期では75%に達し、年間を通じて70%台半ばを維持する見込みです。
これは通常の環境下でも非常に高い水準ですが、新しいBlackwellアーキテクチャの生産が進む中で、エヌビディアはこの水準をさらに向上させる可能性があります。新製品の立ち上げには通常コストがかかるものの、エヌビディアはすでに安定した利益率を確保しています。
高い成長率を維持
エヌビディアは2024年の売上成長率が3桁に達しており、たとえ今後2桁成長に減速したとしても、その見通しは非常に明るいです。エヌビディアの成長率の高さは、同社の技術革新と製品供給のバランスによるものです。
例えば、新しいBlackwellアーキテクチャの需要が供給を上回っている状況にもかかわらず、顧客はエヌビディアの製品を待つ姿勢を見せています。今後もエヌビディアは毎年GPUを更新し続けることを約束しており、他社が追いつくのは困難でしょう。また、Hopperアーキテクチャなど既存の技術インフラも継続的に改善されており、顧客は新旧の技術をシームレスに統合することができます。
イノベーションへの注力
最後に、エヌビディアの革新力は今後も同社の成功を支える重要な要素です。顧客はエヌビディアの技術革新に対して高い信頼を寄せており、製品に対して高い対価を支払うことを厭わない傾向にあります。このため、エヌビディアは持続的な成長を実現し続ける可能性が高いです。
エヌビディアの規模が拡大するほど、コスト効率が向上し、利益率の維持にも貢献します。これにより、長期的にエヌビディアの株価は上昇し続けると期待されます。
まとめ
エヌビディアの株価が今年大幅に上昇した背景には、AIブームを牽引するリーダー企業としての強みがあります。高い粗利益率、堅調な成長率、そして革新への強いコミットメントは、同社が長期的に成功を収める可能性を高める要素です。否定論者の懸念がある中でも、エヌビディアは引き続き技術革新を続け、成長を維持していくものと思われます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA