株価急騰のネットフリックス:アナリストが警鐘を鳴らす理由とは?

ネットフリックス(NFLX)の株価は、10月17日木曜日の取引終了後に発表された第3四半期の決算発表を受け、大きく上昇しました。収益、売上、加入者数が市場予想を上回る結果を示し、さらに今後の業績見通しもポジティブなものとなりました。これにより、ネットフリックスの株価は18日に10.5%上昇し、759.85ドルに到達しました。

2024年、ネットフリックスの株価はすでに56%の上昇を記録しており、株式市場で注目を集めています。同じく大手ストリーミングサービスを展開するウォルト・ディズニー(DIS)やAmazon Primeといった競合企業と比べても、圧倒的なリードを維持している状況です。たとえば、ウォルト・ディズニーの株価は今年わずか7%の上昇にとどまり、他の競合他社であるコムキャスト(CMCSA)、ワーナー・ブラザース(WBD)、パラマウント・グローバル(PARA)はすべて株価が下落しています。

しかし、アナリストたちはこの急成長が続かない可能性を指摘しており、株価が割高になっているとの懸念を抱いています。

モーニングスターの警告:期待が高すぎるか?

モーニングスターのテクノロジー、メディア、通信分野のアナリスト、マシュー・ドルギン氏は、投資家がネットフリックスの最近の好調な決算に対して過度な期待を寄せていると指摘しています。ドルギン氏は、ネットフリックスが今後も競合他社をリードし続けると予想する一方で、ストリーミングサービスの市場は依然として競争が激しく、加入者の伸びが鈍化する可能性が高いと見ています。

同氏の分析によれば、ネットフリックスは加入者数の増加が頭打ちになる可能性があり、それを補うために価格の引き上げが必要になるかもしれません。同氏は、ネットフリックス株を「ホールド」と評価し、目標株価を550ドルに設定しています。これは現在の株価から約38%の下落を意味します。

シーポート・リサーチ・パートナーズの見解:株価が割高

シーポート・リサーチ・パートナーズのアナリスト、デビッド・ジョイス氏も、ネットフリックスの株価が現在の水準で割高になっていることに懸念を示しています。同氏は、17日の決算発表が同社のビジネスモデルの強さを裏付けるものであると認めながらも、株価の上昇が過剰であると感じています。

ジョイス氏は、600ドル台前半から中盤の価格帯であれば買い手となると述べていますが、現状では株価の動向を見守る姿勢を示しています。

アナリストのコンセンサス:慎重な姿勢が主流

ネットフリックスに対するアナリストの評価は、全体としても慎重な見方が多いようです。ファクトセットのデータによると、ネットフリックスをカバーするアナリスト51人のうち約3分の2が「買い」と評価していますが、コンセンサス目標株価は747ドルに設定されており、現在の株価がそれ以上上昇しない可能性を示唆しています。

まとめ:素晴らしい業績も、株価のリスクに注意

ネットフリックスは、ストリーミング配信業界において依然として強力なポジションを維持しており、エンターテインメント業界をリードする存在であり続けています。しかし、アナリストたちはその業績に対して過度な期待を寄せるべきではないと警告しています。競争の激化や加入者数の伸び悩みが株価の上昇を抑制する可能性があるため、慎重な投資判断が求められる時期かもしれません。

ネットフリックス株を投資ポートフォリオに追加する際は、今後の市場動向や競合企業の動向に注視しながら、リスクとリターンのバランスを見極めることが重要です。

*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX

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