2024年、S&P 500指数に含まれる大型株の多くが前年比6%の配当成長を見込んでおり、投資家にとって配当増加は重要なテーマとなっています。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、これは昨年の5.1%増を上回るものの、2022年の11%近い急騰には及ばないとされています。
配当増加は、多くの企業にとって堅実な利益成長と株主還元の象徴です。特に大統領選挙が近づく中、企業は経済、政府支出、税制に対する懸念を抱えていますが、それでも配当を6%以上増加させる企業がいくつか存在します。この記事では、2024年に注目すべきS&P 500企業をいくつかピックアップし、配当成長の予測や投資の魅力について解説します。
ゴールドマン・サックスの配当成長と見通し
金融界の巨頭であるゴールドマン・サックス(GS) は、2023年の1株当たり配当が10.50ドルから11.56ドルへと約10%増加する見通しです。同社の配当利回りは2.3%であり、過去数年間で大幅な配当増加を実現しています。CEOのデビッド・ソロモン氏は、今後も配当を継続的に増やしていく意向を表明しており、投資家にとって安心できる選択肢です。
アムジェンの配当利回りと成長予測
バイオテクノロジー分野で世界的に知られるアムジェン(AMGN) は、2024年に配当を1株当たり9.19ドルに引き上げると予測されています。これは前年から8%の増加を見込んでおり、2.8%という高い配当利回りが投資家を引きつけています。同社の代表的な治療薬「エンブレル(Enbrel)」の成功が、今後の配当成長を後押しする要因となっています。
フェデックスの収益性向上と配当増加
フェデックス(FDX) は、2.1%という配当利回りを誇り、2024年には配当が前年比9%増加して1株あたり5.51ドルになる見込みです。同社はコスト削減を進めることで収益性を改善しており、フリーキャッシュフローは約40億ドルに達すると予測されています。物流業界の巨頭としての安定感が、長期的な投資の魅力を高めています。
ステート・ストリートの安定した配当と株価成長
金融サービス大手のステート・ストリート(STT) は、3.3%という高い配当利回りとともに、2024年には配当が前年比10%増加する見込みです。2023年には1株あたり2.64ドルの配当を支払いましたが、2024年には2.90ドルへと増加する予定です。モーニングスターによれば、ステート・ストリートは収益の約35%を配当として還元しており、今後も配当を増やす余力を十分に保持しています。
シュルンベルジェの復調と配当増加
シュルンベルジェ(SLB) は、2.5%の配当利回りを提供しています。パンデミック時には配当を削減しましたが、業績が回復するにつれ、配当も順調に増加しています。2024年には1株あたり1.09ドルの配当を支払う見込みで、前年の93セントから増加しています。モーニングスターの予測では、2028年までにSLBの年間配当は1株あたり2ドルに達すると予想されています。
ゾエティスの持続的な配当成長
動物用医薬品メーカーのゾエティス(ZTS) は、配当利回りが0.9%と低いものの、2桁の配当成長が一貫して見られます。2024年には配当が前年比14%増加し、1株あたり1.71ドルになる見通しです。株価はやや下落していますが、同社の持続的な成長力を考えると、長期的な配当収入を目指す投資家にとって魅力的な銘柄と言えます。
まとめ
S&P 500指数において、これらの企業は2024年に平均以上の配当成長を達成する見込みです。特に、ゴールドマン・サックス、アムジェン、フェデックスなどは安定した配当増加を約束しており、投資家にとって魅力的な選択肢です。大統領選挙などの不確定要素は残るものの、これらの企業は堅実な配当政策を継続し、株主に還元を続けていくでしょう。今後の配当成長を見据えた投資戦略を立てる上で、これらの銘柄は注目に値します。
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