TSMC、第3四半期決算で売上急増!AIチップ需要が株価を押し上げた理由

  • 2024年10月18日
  • 2024年10月18日
  • BS余話

TSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の株価が、2024年第3四半期の決算発表後に大きく上昇しました。この結果は、人工知能(AI)チップに対する強い需要が、TSMCの売上を押し上げたことを反映しています。特にAI市場における成長が注目されています。

第3四半期のTSMCの業績

TSMCの第3四半期決算によると、同社の米ドル建て売上高は前年同期比36%増の235億ドルに達し、純利益は前年同期比で54%増加して101億ドルを記録しました。このように驚異的な成績を上げた背景には、AI関連の需要が急増していることが挙げられます。

さらに、TSMCは第4四半期の売上予測として、261億ドル〜269億ドルの範囲を示し、年間を通じての売上成長は30%近くに達すると見込んでいます。これは、TSMCがAIやスマートフォン市場をリードしているため、堅調な需要を背景にした強気な見通しとなっています。

TSMCが支えるハイエンドチップ市場

TSMCは、ハイエンドチップ市場において、他社を凌ぐ圧倒的な地位を確立しています。特に、同社のチップはアップル(AAPL)やクアルコム(QCOM)のモバイルチップセット、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のプロセッサなど、主要な製品に組み込まれています。また、AIアプリケーション向けの半導体市場においてもTSMCは重要な役割を果たしており、AIチップメーカーであるエヌビディア(NVDA)とも緊密に連携しています。

AI関連需要の増加がTSMCの成長を加速

TSMCのCEO、魏哲家氏は、決算発表後の電話会議で「AI関連の需要が極めて堅調である」と述べています。特に、TSMCのAIプロセッサは、今年の収益貢献率が3倍以上になると予想されており、全体の売上の10%台半ばを占める見込みです。このような成長は、AIの分野で急速に需要が高まっていることを示しています。

AI関連の売上成長に伴い、TSMCはCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)と呼ばれる先進的なチップパッケージング能力を、2024年末までに2倍以上に拡大する計画を進めています。これは、エヌビディアの最高性能AIチップの生産に不可欠な技術であり、供給が追いつかないほどの需要に応えるための重要なステップとなります。

AI需要の持続可能性

魏哲家氏は、「AIはTSMCやその顧客にとって持続可能な需要であり、今後も生産性向上を推進する」と強調しました。AIアプリケーションは、単なる一時的なトレンドではなく、今後の技術革新を支える主要なエンジンとなる可能性が高いと予想されます。

TSMCとインテルの関係

さらに、TSMCのCEOは、インテル(INTC)に関しても言及し、同社は競合他社の施設買収には興味がないと明言しました。ただし、インテルの最新プロセッサ「Lunal Lake」は、TSMCが製造を担当しており、今後もインテルとのビジネスは継続すると述べました。これにより、TSMCはインテルとの協力関係をさらに深めることになると思われます。

まとめ

TSMCは、第3四半期決算で市場予想を大幅に上回る成績を発表し、株価は急上昇しました。AIチップの需要が同社の成長を大きく押し上げ、今後もこのトレンドが続くと見られています。特に、AI市場におけるTSMCの技術力は、エヌビディアやアップルなどの主要顧客との連携を強化し、さらなる成長を後押しすると予想されます。

*過去記事「TSMCの9月期売上が市場予測を上回る、AIブームは継続か

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