マイクロソフトとアルファベットの決算発表が間近—投資家が注目すべきポイント

マイクロソフト(MSFT)アルファベット(GOOGL)の決算発表が迫っており、ウォール街の注目を集めています。2024年10月29日にアルファベットが、翌日10月30日にマイクロソフトが四半期決算を発表する予定です。今年、両社の株価は上昇を見せているものの、夏以降その勢いは鈍化しており、今回の決算は市場に大きな影響を与える可能性があります。

マイクロソフトとアルファベットの株価動向

2024年に入り、アルファベットの株価は17%上昇し、162.93ドルを記録。一方、マイクロソフトの株価も11%上昇し、416.72ドルまで達しました。しかし、7月における高値(アルファベット: 191.18ドル、マイクロソフト: 467.56ドル)からは両社ともに下落しています。特にアルファベットは、資本支出の増加や規制リスク、競争の激化などの影響で株価の下落傾向が続いています。

アルファベットのリスクと将来の見通し

アルファベットの課題として、資本支出の増加や規制の逆風が挙げられます。同社は生成AI分野に多額の投資を行い、第2四半期には資本支出が132億ドルに増加しました。これは第1四半期の120億ドルを上回っており、同社が新たな競争に備えていることを示しています。Googleは長年、検索市場をリードしてきましたが、競合AIエンジンの台頭により、市場シェアを失うリスクにさらされています。

さらに、米国司法省からは、Googleの検索サービスや広告事業が独占状態にあると指摘され、同社の分割案が提案されました。これにより、アルファベットの収益性に対する懸念が高まり、市場では不安定な動きが見られています。

一部のアナリストは、アルファベットに対して保守的な見方を強めています。例えば、イタウBBAのチアゴ・カプルスキス氏は、同社の収益性が規制リスクに大きく依存している点を指摘し、目標株価を200ドルとしています。これは現在の株価から23%高い水準です。

マイクロソフトの安定性と成長見通し

一方、マイクロソフトは比較的安定したパフォーマンスを示しています。同社はAI分野への多額の投資を行っており、自社のクラウド事業であるAzureやOpenAIとの協力が市場から注目を集めています。ウォール街の一部では、マイクロソフトがこの投資からどのように利益を引き出すのかに関して疑問視する声もありますが、Azureの成長見込みに対しては楽観的な見解が広がっています。

BofA証券のアナリスト、ブラッド・シルズ氏は、Azureの成長が加速することで、株価にポジティブな影響をもたらすと予想しています。同氏はマイクロソフトを「買い」と評価し、目標株価を510ドルと設定しています。これは現在の株価から22%高い水準です。Azureのクラウドコンピューティング市場における強みが、今後の株価上昇のカタリストになると見ています。

株価評価と投資戦略

現在、アルファベットの株価は予想利益に対して19.5倍で取引されており、5年間の平均23倍を下回っています。これに対し、マイクロソフトは30.1倍で取引されており、同社の5年平均29.3倍を上回っています。この差は、両社の抱えるリスクの違いを反映していると考えられます。

アルファベットは今後の規制リスクやAI分野での競争が株価に影響を与える可能性があり、短期的にはマイクロソフトの方がより安全な投資先と見られています。しかし、長期的にはアルファベットがAIや検索分野での革新を続けることで、再び強い成長を見せる可能性も十分にあります。

まとめ

マイクロソフトとアルファベットの決算発表は、投資家にとって重要なイベントです。両社ともにAI分野への多額の投資を行っており、その成果が注目されています。規制リスクや競争の激化に直面しているアルファベットに対して、安定的な成長が見込まれるマイクロソフトは、短期的にはより安全な選択肢となる可能性があります。しかし、どちらの企業もテクノロジー分野でのイノベーションを続けており、今後の動向に注目が必要です。

*過去記事 マイクロソフト MSFT アルファベット GOOGL

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