パランティアの急成長と空売りの激増、2024年に投資家が直面する課題

2024年に入ってから、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は驚異的な成長を遂げ、投資家たちの注目を集めています。ナスダック総合指数が23%上昇したのに対し、パランティアの株価はその6倍以上にあたる約150%の上昇を記録しました。データ分析を主力とする同社は、このパフォーマンスにより市場で高い評価を得ていますが、その一方で、弱気派の動きも加速しています。

パランティアの株価と評価倍率

株価が急騰するにつれて、パランティアの評価もますます注目されています。ファクトセットによると、同社の現在の株価収益率(P/Eレシオ)は約108倍に達しており、これはS&P 500の平均的なソフトウェア企業の評価の約2倍に相当します。このような高評価に対し、一部の投資家やアナリストは懸念を示しており、特に空売りの動きが顕著です。

空売りの激増

空売りは、将来的に株価が下がると予測する投資家が採る戦略で、株式を借りて売却し、その後、より低い価格で買い戻すことを目指します。S3パートナーズのデータによると、10月初め時点でパランティアの株式約9,800万株が空売りされており、これは9月初めから81%の増加を示しています。この増加率は、S&P 500構成銘柄の中で最大の伸びです。

さらに、パランティアの空売り残高比率は約6%であり、これはS&P 500の平均空売り残高3%弱を大きく上回っています。このような高い空売り比率は、株価が将来的に下落すると考える弱気派が増えていることを示しています。

強気派への警告サイン

空売り比率の増加は、強気投資家に対する潜在的なリスクを意味します。ウォール街のアナリストの間でも、パランティアに対する評価は必ずしも強気ではありません。パランティアをカバーするアナリストのうち、同社株を「買い」と評価しているのはわずか26%に過ぎません。これは、S&P 500の平均的な「買い」評価率約55%を大きく下回ります。さらに、アナリストの平均目標株価は約28ドルで、これは現在の株価より約34%低い水準です。

ショートスクイーズのリスク

ただし、空売りが増える一方で、パランティアの株価がさらに上昇した場合、ショートスクイーズが発生するリスクもあります。これは、空売り投資家が損失を避けるために急いで株式を買い戻すことで、さらに株価を押し上げる現象です。株価が良いニュースに反応して急上昇すると、このような動きが発生する可能性が高まります。

他の注目すべき銘柄

空売り残高の増加は、パランティアだけではありません。S3パートナーズ によると、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)やHP(HPQ)、アマゾン(AMZN)も、空売りが増加している銘柄です。これらの企業も、強気相場の恩恵を受けており、年初来の平均上昇率は約32%です。しかし、空売り投資家はこれらの株価が今後下落すると見込み、利益確定を狙っています。

まとめ

パランティアの株価は2024年に入り、素晴らしいパフォーマンスを見せていますが、高い評価とともに弱気派の動きも増加しています。空売り残高の増加やアナリストの懸念があるものの、ショートスクイーズの可能性も否定できません。投資家は、強気・弱気双方の意見を慎重に検討しながら、今後の動向に注視する必要があります。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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