データドッグ(DDOG)は、企業のインフラを24時間体制で監視し、技術的な問題を早期に特定することで、デジタル時代への移行を支援するクラウド監視プラットフォームです。例えば、オンライン小売業者が特定の地域でウェブサイトがダウンしていることに気づかず、売上の減少に直面するケースがあります。しかし、データドッグを使用すれば、こうした問題を顧客体験に影響が出る前に検知し、警告を発することが可能です。
AIアシスタント「Bits AI」による自動化のサポート
昨年、データドッグはAIアシスタント「Bits AI」をリリースしました。このAIアシスタントは、同社のプラットフォームに統合されており、ユーザーがワークフローの自動化を進めることができるようサポートします。特に「Bits AI」はインシデントの概要を自動作成する能力を持ち、技術的な問題の根本原因を調査するプロセスを促進するため、管理者の作業時間を大幅に削減します。これにより、システム管理者はより重要な業務に集中でき、システム全体の効率が向上します。
大規模言語モデル(LLM)専用の可視化ツール
さらに、データドッグは現在、大規模言語モデル(LLM)専用の可視化ツールを提供しています。LLMは、AIチャットボットやその他のソフトウェアアプリケーションに不可欠な基盤技術であり、その健全性を維持することは非常に重要です。
データドッグの可視化ツールは、LLMのコストを監視し、エラーをトラブルシューティングし、応答品質を評価するためのツールを提供します。これにより、開発者は正確かつ効率的な出力が得られるかどうかを確認することができます。
また、このツールはOpenAI、Microsoft Azure、Amazon Bedrock、Anthropicとシームレスに統合されており、開発者は数秒でセットアップ可能です。これにより、AIの開発や運用がさらに効率的になり、企業の技術インフラの健全性が向上します。
AI製品およびサービスの成長と収益への影響
2024年第2四半期(6月30日終了)の時点で、データドッグは2万8700社のビジネス顧客を抱えており、そのうち約2500社は既にAI製品およびサービスを利用しています。当四半期の売上は総額6億4500万ドルに達し、そのうち4%はAIに起因するものです。この割合は前年同期の2%から倍増しており、AIの導入が加速していることを示しています。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、世界中の組織の72%が少なくとも1つの業務機能にAIを導入しています。この統計は、将来的にAIおよびクラウドの可視化ツールが組織にとって不可欠なツールになることを示唆しています。こうしたツールなしでは、多くの企業が競争力を維持できなくなる可能性があります。
データドッグの株価パフォーマンスと長期的な投資価値
データドッグの株価は、長期的な投資ポートフォリオにとって優れた選択肢となる可能性があります。現在、株式の売上高倍率(P/S)は19.3倍で取引されており、他のソフトウェア株と比較して高い水準です。しかし、これは2019年の株式公開時の平均P/S倍率29.8を35%下回っており、まだ上昇の余地があります。
特に長期的に株式を保有する意思のある投資家にとって、データドッグは成長が期待される銘柄と言えます。AIの成長とデジタル化の進展により、同社のサービスに対する需要は今後も拡大していくと予想されます。これにより、株価の上昇も期待されます。
*過去記事はこちら データドッグ DDOG