アマゾン・ドット・コム(AMZN)の株価は、スコシアバンクとピボタル・リサーチ・グループのアナリストが「買い」と評価したことを受け、10月11日に上昇しました。アナリストたちは、アマゾンの電子商取引事業と、特にクラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services(AWS)の成長を高く評価しています。
ナット・シンドラー氏の分析
スコシアバンクのアナリスト、ナット・シンドラー氏は、アマゾンの目標株価を245ドルに設定しており、現在の186.65ドルから約31%の上昇を見込んでいます。シンドラー氏は、アマゾンの成長を牽引するのはAWSだと強調しています。2023年、AWSはアマゾンの総売上の約15%に相当する908億ドルを生み出しました。ファクトセットによると、AWSの売上は2024年に約18%増加し、1077億ドルに達する見込みです。
AWSの成長要因
AWSはクラウドコンピューティングサービスを提供しており、多くの企業がオンプレミスシステムからクラウドへの移行を進める中、その需要は拡大しています。シンドラー氏は、特にAI技術への投資がAWSの成長を後押しすると予測しています。同氏は、AWSのAI関連事業は急速に拡大し、クラウドベースのソリューションやインフラの近代化が、AWSのさらなる成長を促進すると見ています。
ジェフリー・ウロダック氏の見解
ピボタル・リサーチ・グループのアナリスト、ジェフリー・ウロダック氏もアマゾンを「買い」と評価し、目標株価を260ドルに設定しています。ウロダック氏は、AI技術の導入によってAWSがアマゾンの総売上に占める割合が2024年には17%に達し、今後5年以内には35%以上に成長すると予測しています。
生成AIの急成長
AWSは生成AI技術にも力を入れており、この分野での需要が急速に拡大しています。最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・ジャシー氏は、企業のIT支出がクラウドベースに移行する流れが続く中で、AWSの成長が今後も期待できると述べています。さらに、AIの需要はまだ初期段階でありながら、すでに大きな利益をもたらしているとも述べています。
今後の注目ポイント:2024年第3四半期の決算報告
投資家は、10月24日に予定されている第3四半期の決算報告でAWSのさらなる成長に関する最新情報を期待しています。特にAWSの業績は、アマゾン全体の成長に大きく影響を与えると見られています。
まとめ:アマゾン株の今後の展望
アマゾンの株価は今年に入って24%上昇し、S&P 500指数の22%を上回る成長を遂げています。特にAWSの成長は、アマゾンの株価を支える重要な要素となっており、アナリストたちもこの成長を強く支持しています。
今後、AWSのAI関連事業やクラウドへの移行が、アマゾンの株価をさらに押し上げると期待されています。アマゾンへの投資を検討する際は、AWSの動向が重要な指標となりそうです。
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