パランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価は、10月に入り過去最高値を記録し、その成長は止まる気配を見せません。4日には39.24ドルの過去最高値で取引を終え、5日の市場でも午前の段階で1.9%高と好調です。これは、人工知能（AI）関連技術の需要拡大を背景に、投資家の間で同社への関心が高まっている結果です。
ティール会長の大規模な株式売却
同時に、パランティアの成長に影響を与えているもう一つの大きなニュースは、ピーター・ティール会長の大規模な株式売却です。ティール氏は9月27日から10月1日の間に、同社株式を4億5740万ドル分売却しました。売却された株数は12,412,322株、1株あたり平均36.85ドルでの取引です。
この売却は、ティール氏のルール10b5-1計画に基づいて行われ、同氏の投資会社であるリヴェンデル7LLCを通じて実施されました。ティール氏は引き続き、34,260,451株のパランティア株式を保有しています。この株式売却が、投資家に与える影響が注目されています。
今年の株価上昇率は驚異の133%
2024年に入ってから、パランティアの株価はAIの発展を追い風に、133%もの上昇を見せています。しかし、全てのウォール街アナリストがその成長を楽観視しているわけではありません。先月、レイモンド・ジェームズのアナリストチームは、パランティアの格付けを「アウトパフォーム」から「マーケット・パフォーム」に引き下げ、目標株価30ドルを取り下げました。
アナリストの懸念材料
パランティアに対する懸念の声も上がっており、特に以下の3つの理由が指摘されています：
- 株価の急騰：今年に入ってからの素晴らしいパフォーマンスにより、株価は既に高い水準に達している。
- バリュエーションの高さ：現在の株価は非常に高い評価を受けており、投資家にとって割高と見なされる可能性がある。
- S&P 500への追加：9月にS&P 500に追加されたことで、株価が短期的に急騰している。
これらの懸念を受けて、現在の株価は来年の収益予想の95倍という法外な水準で取引されています。このため、ファクトセットによると、アナリストの平均的な推奨は「ホールド」であり、コンセンサス目標株価は27.56ドルとなっています。これは現在の株価よりも30%低い水準です。
まとめ
パランティアの株価はAIブームに支えられているものの、その急騰には注意が必要です。株価は短期間で大幅に上昇しており、現在の評価水準は非常に高いため、投資家は慎重に判断することが求められます。ピーター・ティール氏の大規模な株式売却も、同社の成長に対する市場の不安を示している可能性があります。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR