EVゴー株が2日間で100近い%上昇!成長の裏に潜むリスクと今後の展望

  • 2024年10月5日
  • 2024年10月5日
  • BS余話

電気自動車(EV)充電インフラを提供するEVゴー(EVGO)の株価が、最近の市場で大きな注目を集めています。2024年10月の株価上昇は、JPモルガンからの株価評価引き上げと、エネルギー省からの巨額融資の確約が大きな要因となっています。この急騰の背景を掘り下げ、その要因と今後の見通しを詳しく解説します。

株価急騰の要因:JPモルガンの推奨とエネルギー省の融資確約

米国の35以上の州で1,000カ所以上の急速充電ステーションを運営しているEVゴーの株価は、10月3日に60%以上の急上昇を見せ、続く4日にも17%高の7.4ドルあまりとさらなる上昇を記録しました。特に、JPモルガンのアナリスト、ビル・ピーターソン氏が、EVゴーの株式評価を「ホールド」から「バイ」へと格上げし、目標株価を7ドルとしたことが大きな要因です。

ピーターソン氏は、EVゴーのようにEV充電インフラを所有・運営する企業が、他の充電設備メーカーよりも成長率をよりコントロールしやすいと指摘しています。充電インフラを直接所有している企業は、需要の変動に影響されず、自社の戦略に基づいた成長が可能です。

さらに、EVゴーは米エネルギー省から最大11億ドルの条件付融資の確約を受けました。この資金は、EVゴーがさらに充電インフラを拡充するために重要な役割を果たすことになりそうです。特に利益をまだ出していない新興企業にとって、こうした資金の確保は重要な資本の後押しとなります。

株価急騰を後押しした空売りカバーの動き

EVゴーの株価上昇には、もう一つ重要な要素があります。それは空売りカバーの動きです。空売りとは、投資家が株価の下落を見越して行う取引手法で、EVゴーは特に空売りの対象となっていました。EV市場の成長鈍化も影響し、EVゴー株の約25%が空売りされていた状態でした。

しかし、急激な株価上昇によって空売り業者が損失を避けるために株式を買い戻す「空売りカバー」が発生し、これがさらなる株価上昇を促しました。この空売りカバー取引が、一時的に大幅な株価上昇を後押しし、未だポジションを維持している投資家に対して圧力がかかる状況を生み出しています。

今後のEVgo株価見通しとリスク

EVゴーの株価は、わずか2日間でほぼ100%の上昇を見せ、JPモルガンの目標株価である7ドルを超えました。しかし、長期的な視点では、EV市場の成長鈍化やウォール街の保守的な見方も無視できません。2024年上半期のEV販売台数の増加率は前年同期比で約7%にとどまっており、成長ペースは減速しています。

さらに、ファクトセットのデータによると、ウォール街はEVゴーが今後数年間は営業利益を上げることができないと見ています。これにより、短期的な株価上昇が一段落した後、株価が再度調整される可能性も考慮すべきでしょう。

まとめ

EVゴーの株価急騰は、JPモルガンによる評価引き上げとエネルギー省の融資確約、さらに空売りカバー取引が複合的に影響した結果です。しかし、今後もEV市場全体の成長鈍化や利益を出せるかどうかの懸念は残ります。投資家は短期的な株価動向だけでなく、長期的な視点からもEVゴー株の今後の展開に注視する必要があります。

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