テクノロジー株は本当に割高か?AI革命が未来を変える!

  • 2024年10月3日
  • 2024年10月3日
  • BS余話

テクノロジー株は割高と言われることが多いですが、そのことで投資家がこのセクターから手を引く理由にはなりません。実際、昨年以降、テクノロジー業界は米国株式市場の成長を大きく牽引してきました。この記事では、テクノロジー株の評価額がどのように上昇しているのか、そしてその未来の展望について詳しく解説します。

キーポイント

  • テクノロジー株の現在の株価収益率(PER)は、過去10年平均を大きく上回っている。
  • 人工知能(AI)革命が続く限り、このセクターの成長余地はまだある。
  • 割安な銘柄を見つけることは難しいが、長期的な投資価値は依然として高い。

テクノロジー株の割高感とその理由

DataTrek Researchの共同創設者であるニコラス・コラス氏によると、米国の大型テクノロジー株は過去10年間の平均と比較して、約40%割高になっています。2024年現在、これらの株式は予想利益の29.2倍で取引されており、過去10年間の平均である20.9倍を大きく上回っています。

「マグニフィセント・セブン」とPER

特に注目すべきは、いわゆる「マグニフィセント・セブン」(マイクロソフト、アップル、アマゾン、エヌビディア、グーグル、メタ、テスラ)です。これらの企業は、テクノロジーセクター全体の成長をリードしていますが、その多くが高い株価収益率(PER)で取引されています。代表的なのがエヌビディア(NVDA)で、同社は現在、34.5倍のPERで取引されています。

マグニフィセント・セブン以外を見ても、掘り出し物を見つけるのは難しいのが現状です。セクターの時価総額上位10銘柄(グループ全体の60%以上を占める)のうち、シスコシステムズ(CSCO)のPERが14.5倍と、唯一20.9倍を下回る銘柄です。

テクノロジー株が割高な理由:AI革命と成長見込み

現在、人工知能(AI)がテクノロジー株の成長を支えています。AIはまだ発展途上にあり、多くの企業にとって新たな収益源となる可能性を秘めています。このため、投資家はテクノロジー株が割高であっても、今後の成長を見越して投資を続けています。

キャピタル・エコノミクスの見解

キャピタル・エコノミクスによれば、AIの潜在的な成長力を考慮すれば、テクノロジー株はまだ割高と言えないとのことです。AI技術の進化と共に、テクノロジーセクターは今後も強力な成長エンジンとなり得ます。

長期的な投資の視点

過去10年間、テクノロジー株は一貫して市場平均を大きく上回るパフォーマンスを見せています。S&P 500の複利増益率が12.3%であるのに対し、テクノロジーセクターは年率20.3%の複利増益を達成しています。これは、テクノロジー業界が他のセクターと比べて、企業利益の大幅な増加に最も直結しているためです。

ニコラス・コラス氏の強気の見方

コラス氏は、テクノロジー株の高い評価額は将来的なリターンの低下につながるという一般的な考え方に対し、テクノロジーセクターが過去10年間、プレミアムで取引され続けたにも関わらず、安定したリターンを提供してきた事実を強調し、以下のように結論づけています。

私たちは、評価額だけで企業やセクターをショートしたりアンダーウェイトしたりしないことを、ずっと前に学びました。弱気な見通しの核心は、常に数学的なものではなく、ファンダメンタルズでなければなりません。米国の大型株テクノロジーが積極的な倍率を伴っているように、テクノロジー業界は常に、イノベーションが企業利益の大幅な増加に最も直接的に結びつく分野です。実際、これに匹敵するセクターは他にありません。

テクノロジーセクターの投資リスクと見通し

一部の専門家は、テクノロジー株の評価が高いことから、より割安なセクターへのシフトを検討すべきと警告しています。また、企業規模が大きくなるほど、価格調整時のリスクも増大する可能性があります。しかし、テクノロジー業界は引き続きイノベーションを牽引するセクターであり、AIやデジタルトランスフォーメーションの進展と共に、成長余地があると見られています。

まとめ

テクノロジー株は割高であることは確かですが、そのことが投資家がこのセクターから手を引く理由にはなりません。AIなどの成長分野により、今後も高い成長率が期待されるため、長期的な視点で投資を検討する価値があります。テクノロジー株は依然として、米国株市場の中で最も魅力的なセクターの一つであると言えます。

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