エヌビディア株の未来を探る:2025年までにさらなる成長が期待される理由

2023年の初めから急激な成長を遂げてきたエヌビディア(NVDA)は、ここにきて一部の投資家の間で懸念が広がっています。昨年初頭からの730%の上昇率に対して、直近3か月では1.73%の下落が見られています。このような状況により、「エヌビディアの成長は限界を迎えたのではないか」という声も一部で聞かれます。しかし、これらの懸念はほとんどが杞憂に過ぎないと示す証拠も存在します。この記事では、エヌビディアの今後の成長可能性について検討していきます。

AIの普及にブレーキがかかる?

2023年の初めから、AIの急速な普及がテクノロジー業界を牽引してきました。しかし、投資家の中にはこのペースが今後も続くのか疑問視する声もあります。確かに、AI普及のペースが一時的に落ち着く可能性はあります。しかし、大手テクノロジー企業がAI関連のインフラ投資を継続する計画があることを考えると、AIブームはまだ終わりを迎えていません。

アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)といった企業は、2024年の残りの期間以降もAI関連のサーバーやデータセンターへの投資を増やす方針を示しています。これらの企業はエヌビディアの主要顧客であり、彼らの設備投資はエヌビディアの収益に直結するため、同社の成長は今後も続く見込みです。

さらに、マッキンゼー・アンド・カンパニーの予測によれば、生成AIは今後数年間で世界経済に2兆6000億ドル〜4兆4000億ドルをもたらすとされています。これにより、AIの普及は今後も加速し、エヌビディアの事業成長を支える要因となります。

Blackwellプラットフォームは予定通り進行

8月初旬、エヌビディアの次世代Blackwellチップの生産が遅れるという噂が広がり、これが株価の急落を引き起こしました。しかし、エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏が、四半期決算発表時にこの懸念を払拭しています。

同社は第2四半期にBlackwellアーキテクチャの顧客サンプルをすでに出荷しており、生産は予定通り第4四半期に開始される予定です。遅延があったとしても、2026年までに数十億ドル規模の売上を見込んでいることから、大きな問題にはならないと予想されます。

成長鈍化の懸念は短期的な視点に過ぎない

エヌビディアが第2四半期の決算で、過去最高の売上とデータセンター事業における売上を報告したにもかかわらず、一部の投資家は同社の成長鈍化に懸念を抱いています。特に、同社の粗利益率が第1四半期の78.4%から第2四半期には75.1%に減少したことが指摘されています。

しかし、これは製品構成や在庫引当金の影響によるものであり、同社は今後も粗利益率を70%台半ばで維持する見込みです。これは、過去10年間の平均粗利益率62%を大幅に上回っており、依然として業界内で非常に優れたパフォーマンスを示しています。

また、エヌビディアは第3四半期において、325億ドルの売上を見込んでいます。これは前年比で79%の成長を示していますが、過去5四半期の3桁成長と比較すると鈍化していると考える投資家もいるかもしれません。しかし、依然として非常に高い成長率を維持しており、同社の成長鈍化は一時的なものに過ぎない可能性があります。

エヌビディアは本当に割高か?

エヌビディアの株価は現在、株価収益率(PER)が57倍と、S&P 500の平均PERである30倍を大きく上回っています。このため、一部の投資家は同社の株価が過大評価されていると考えるかもしれません。しかし、エヌビディアの過去10年間の成長率や、今後の成長見通しを考えると、この評価は必ずしも高すぎるわけではありません。

同社の過去10年間の平均PER57.86倍と比較しても、現在の水準は若干低めであり、長期的な投資家にとってはむしろ割安感すらあります。さらに、ウォール街の予測では、来年度の1株当たり利益が4.02ドルになるとされており、これに基づくとエヌビディアの予想PERは30倍程度になります。このように、同社の成長余地を考慮すると、エヌビディア株は今後も投資価値が高いといえます。

まとめ

エヌビディアの株価が昨年から大きく上昇している中、一部の投資家が短期的な動きに懸念を抱くのは理解できます。しかし、同社の主要顧客は引き続き多額の投資を行い、次世代プラットフォームの開発は順調に進み、粗利益率も依然として高水準を維持しています。また、同社の株価は一見したほど割高ではなく、むしろ今後の成長を見込んだ上で妥当な評価となっている可能性が高いと言えます。

これらの要因から、エヌビディアの株価は2025年まで引き続き上昇する余地が十分にあり、長期的な視点を持つ投資家にとって魅力的な投資対象となっていると言えそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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