スーパーマイクロの株価の変動と今後の株式分割:投資家はどう動くべきか?

スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)は、過去数か月間で急激な株価の変動を経験しています。 かつて急上昇していた同社の株価は、規制上の懸念や予想を下回る決算報告の影響で、現在は下落傾向にあります。また、10月1日には株式分割が予定されており、個人投資家にとって注目すべき動きが予想されます。

株式分割の概要とその意図

スーパーマイクロは8月6日、10株を1株に分割する株式分割を発表しました。10月1日から分割後の株式が取引される予定であり、CEOのチャールズ・リャン氏は「この分割はスーパーマイクロの株式をより入手しやすくするため」とコメントしています。

株式分割により、1株あたりの価格は下がりますが、投資家の持ち分は希薄化されることはありません。例えば、8月6日の終値616.94ドルに基づくと、分割後の1株の価格は61.69ドルとなります。9月26日の終値402.40ドルを基にすると、分割後の価格は40.24ドルとなります。これにより、より多くの個人投資家がスーパーマイクロの株式を購入しやすくなることが期待されています

株価下落の背景と影響

株価は8月6日以降、35%も下落し、時価総額は126億ドル減少しました。この間、S&P 500指数は10%上昇しているため、同社の株価は大きな逆風を受けていると言えます。

特に、第4四半期の調整後粗利益率が前年の17.1%から11.3%に減少したことが、8月7日の株価20%の急落を引き起こしました。さらに8月27日、空売りを専門とするヒンデンブルグ・リサーチによる報告書で、スーパーマイクロが会計上の問題や関連当事者取引の未開示、制裁問題、輸出管理不履行、顧客問題などに直面していると主張され、さらなる混乱が生じました。これに対してスーパーマイクロは、報告書の内容は虚偽または不正確だと反論していますが、事態は収束していない状況です。

株式分割後の投資戦略

株式分割は、スーパーマイクロに新たな個人投資家を呼び込む可能性が高いですが、投資家にとっては依然として慎重な判断が求められます。現在、同社の株価は予想1株当たり利益の11.1倍で取引されていますが、これは5年間の平均である13.1倍と比較すると割安です。しかし、規制や調査を巡るニュースが続いているため、多くの投資家が様子見の姿勢を取る可能性もあります

一方で、アナリストの間では楽観的な見方もあります。ニーダムのアナリスト、クイン・ボルトン氏は、生成AIの成長に伴い、スーパーマイクロが直接的な恩恵を受けると予測し、600ドルの目標株価を設定しています。2028年までの出荷台数や平均販売価格の増加も見込んでいるため、長期的な視点で見ると、同社への投資は魅力的だと言えます。

まとめ:投資家にとっての今後の動向

スーパーマイクロの株価は、短期的には不安定な状況が続いていますが、株式分割によって個人投資家が参入しやすくなる一方、規制問題や財務上の懸念が続いていることから、慎重な判断が必要です。しかし、生成AIの成長を背景に、長期的には同社の株価は再び上昇する可能性があるため、ポートフォリオに組み入れる価値はあると考えられます。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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