アルファベットの株価、割安の裏に潜むリスクとは?今後の見通しを徹底分析

アルファベット(GOOGL)の株価に対する評価が注目を集める中、バーンスタインのアナリスト、マーク・シュムリック氏は、アルファベット株が割安か正当な価格かという疑問を深掘りしています。この記事では、同氏の最新の分析とデータに基づき、アルファベットの今後の展開を考えます。

アルファベット株のディスカウント率は過去最大級

アルファベットの株価は現在、S&P 500指数に対して大幅なディスカウントで取引されており、過去最大の割引水準に近づいています。直近では、このディスカウント率がS&P 500指数(SPX)と比較して過去最高の水準を記録しました。

さらに、この割引は他のテック企業、特にメタ・プラットフォームズ(META)と比較しても過去最大です。アルファベットの株価がここまで割安に見える理由は何なのでしょうか?

売上成長の予測と株価評価

アルファベットの株価は、現在予想利益の19倍で取引されています。同社は今後数年で力強い成長を見込んでおり、2027年までに年間11%の売上成長が期待されています。また、1株当たり利益も同期間に15%成長する可能性が示されています。

これらの数字を考慮すると、多くの投資家はアルファベット株に魅力を感じるでしょう。シュムリック氏も「世代を超えた買いのチャンス」と強調しており、他が弱気な時にこそ積極的に投資を検討するべきだと述べています。

規制と競争リスクは無視できない

一方で、シュムリック氏はアルファベットが直面している規制リスクや競争環境についても警鐘を鳴らしています。特に、独占禁止法に関する問題はGoogleに大きな影響を与える可能性があります。

Googleは、検索エンジンやPlayアプリストア、ネットワーク事業に関して政府と対立しており、敗訴した場合、検索配信チャネルの20%から25%が危機にさらされる可能性があります。最悪のシナリオでは、Googleが検索結果の掲載料を支払う能力を失い、Bingやアップルなどの競合がシェアを奪う事態が想定されます。

生成型AIと競争リスク

さらに、AI市場における競争もアルファベットにとって大きなリスクとなっています。特にオープンAIの先行者利益や、アップル(AAPL)が遅れて参入する新しいAI技術「Apple Intelligence」は、Googleの検索シェアを脅かす要因となる可能性があります。

シュムリック氏は、「市場はGoogleがAIの敗者か、ジェミニとクラウドを通じてAIの勝者となるかをまだ決定できていない」と指摘しています。AIは、検索シェアや収益化に関する大きなリスクを抱えていると言えます。

アルファベット株の今後の展望と目標株価

シュムリック氏は、これらのリスクを考慮し、アルファベット株を「マーケットパフォーマム」と評価し、目標株価を180ドルと設定しています。一方で、メタ(META)株は「アウトパフォーム」と評価し、目標株価を600ドルとしています。

「メタが全開で稼働している状況で、アルファベットへの強気の長期投資を擁護するのは難しい」と同氏は述べており、メタに対する強い支持を示しています。

まとめ:アルファベット株は買いのチャンスか?

現在のディスカウント率や成長予測を見ると、アルファベット株は割安に見えるかもしれません。しかし、規制リスクや競争環境の変化を無視することはできません。特にAI技術の進展や独占禁止法の影響を慎重に見極める必要があります。投資を検討する際は、これらのリスクを十分に理解した上で判断することが重要です。

*過去記事 アルファベット GOOGL

最新情報をチェックしよう!