2026年以降も安泰?AI資本支出とエヌビディアの成長を徹底解説

エヌビディア(NVDA)は、過去数年にわたりAI関連市場で圧倒的な存在感を示してきました。しかし、今後数年間の成長持続性について、投資家の間で不安が広がっています。特に、2026年以降のAI資本支出のペースが懸念材料として挙げられています。

そんな中、米国みずほ証券のデスクトップ・アナリストであるジョーダン・クライン氏は、新たな希望を投資家に提示しています。同氏は、ベイン・テクノロジー社の最新レポートに注目し、AI市場の今後の成長予測がエヌビディアの株価に対する懸念を和らげる可能性があると指摘しています。

AI市場の爆発的な成長予測

ベイン・テクノロジー社のレポートによれば、現在の約1850億ドル規模のAIハードウェアおよびソフトウェア市場は、2027年までに9900億ドルに達すると予測されています。この成長率は、2025年を超えてAI関連の資本支出が大幅に拡大する可能性を示唆しています。

クライン氏は、この予測が「大規模なクラウド(資本支出)とAIへの投資支出の持続可能性に対する懸念を軽減する」要因になると述べています。

実際、投資家の最大の懸念は、2026年以降にAIに対する支出がどのように推移するかにあります。現在、大手クラウド企業はAIハードウェアに多額の投資を行っていますが、これが将来的に利益に結びつかない場合、支出が削減されるリスクがあります。

データセンターとAIハードウェアへの需要は依然として高い

AIハードウェア市場におけるエヌビディアの成功は、特にデータセンター向けグラフィック処理ユニット(GPU)の需要に依存しています。ベインのレポートは、今後のデータセンター需要についても楽観的な見通しを示しています。

例えば、大規模言語モデルの進化により、テキスト、画像、音声など複数のデータタイプを同時に処理する能力が飛躍的に向上しており、この技術革新が引き続き需要を牽引すると予測されています。また、ベンチャーキャピタルはAIスタートアップへの投資を増加させており、これがエヌビディアを含むAI関連企業にとってさらなる成長機会を提供すると見られています。

クライン氏によると、仮に2026年までにGPU需要が2倍に増加した場合、主要サプライヤーは生産量を30%以上増加させる必要があるだろうと指摘しています。

マイクロソフトの電力購入契約が示す未来

さらに、クライン氏は、先週発表されたマイクロソフト(MSFT)コンステレーション・エナジー(CEG)による電力購入契約に注目しています。これは、AIデータセンターの運営に必要な電力を長期的に確保するための動きです。

この契約は、マイクロソフトが、2028年まで発電を開始しない施設を再稼働させるために16億ドルを費やすコンステレーション・エナジーと20年間の原子力発電の購入/供給契約を結んだものです。クライン氏は、「もしエヌビディアやその他の企業がAIへの投資を削減するつもりなら、こうした長期的な契約は締結されないだろう」と述べています。この契約は、エヌビディアを含むAI関連企業が今後も積極的に投資を続ける意志を示していることを強調しています。

エヌビディア株価の見通し

こうしたポジティブなニュースを受け、エヌビディアの株価は9月24日に約4%上昇し、25日の取引でもさらに2.18%の上昇を見せました。このような動きは、AI市場の成長がエヌビディアにとって依然として強力な追い風であることを示唆しています。

まとめ:投資家が慌てる必要はない

AI市場の急成長予測と大手企業の長期的な投資意欲を考慮すると、エヌビディアの成長は持続的であると考えられます。特に、データセンター向けGPUの需要増加やクラウド企業の資本支出の継続が期待され、投資家が過度に心配する必要はないと思われます。

今後もAI市場の動向に注目し、エヌビディアの株価がさらに上昇する可能性を見逃さないようにしたいところです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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