エヌビディア(NVDA)の株価は9月24日に急騰し、終値は4%高120.87ドルでした。今回の上昇の背景には、同社の最高経営責任者(CEO)であるジェンスン・フアン氏が、当面の間、株式売却を終了したという報道があったと言われています。
フアン氏による7億ドル超の株式売却
フアン氏は、ここ数ヶ月の間にエヌビディア株の大規模な売却を行っており、その総額は約7億1300万ドルに達しました。売却された株式は約600万株で、これは今年初めに計画された10b5-1計画に基づくものでした。この計画は、経営者などのインサイダーが事前に定めたスケジュールに従って株式を売却できるルールであり、インサイダー取引の規則に違反しない形で行われます。
フアン氏は過去3ヶ月間に40回以上の取引で、この600万株を売却し、事前に設定された上限に到達しました。これにより、少なくとも現時点では、フアン氏がエヌビディア株の売却を終了したことが明らかになっています。
大量売却は懸念材料か?
内部関係者が大量に株式を売却すると、一部の投資家は不安を抱くことがよくあります。「何か不穏な兆候があるのでは?」や「株価がピークに達したのでは?」といった憶測が広がることもあります。しかし、実際のところ、こうした売却は経営陣の報酬プランに関連しており、それほど珍しいことではありません。
特に、株式が経営陣の報酬の大部分を占める場合、その株式を売却することは一般的です。フアン氏の場合、報酬総額の96%はエヌビディア株のパフォーマンスに連動するストックオプションに依存しています。そのため、フアン氏は報酬を得るために株式を売却する必要があります。
フアン氏は依然としてエヌビディアの大株主
さらに重要なのは、フアン氏が依然としてエヌビディアの個人株主の中で最大の株式保有者であるという事実です。最新の委任状によれば、フアン氏は9,300万株以上、発行済み株式の3.75%以上を保有しています。これにより、フアン氏がエヌビディアの将来に自信を持っていることが明確に示されています。
まとめ:エヌビディアの株価上昇の背景に安心感
エヌビディアの株価が急上昇した理由のひとつは、フアン氏の株式売却終了に対する市場の反応であったようです。一部の投資家はインサイダーの売却に対して不安を感じるかもしれませんが、フアン氏が依然として大量の株式を保有している事実や、今回の売却が事前計画に基づくものであることから、過度な心配は不要です。
エヌビディアの長期的な成長見通しは引き続き明るく、投資家は安心して同社のパフォーマンスを見守ることができる現状です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA