エヌビディア（NVDA）は、2024年に135%という驚異的な株価上昇を見せましたが、S&P 500銘柄のトップパフォーマーではなくなりました。しかし、これはウォール街がエヌビディアに対して弱気になったというわけではありません。実際、同社は引き続き強い成長が期待されており、アナリストたちもこの見方を支持しています。
先週、エヌビディアはテキサス州を拠点とする電力会社、ビストラ（VST）に王座を譲り渡しました。ビストラの株価は2024年に190%上昇し、S&P 500の新たなリーダーとなりました。それでも、エヌビディアの業績が悪化したわけではありません。同社の株価が過去3か月間下落した主な理由は、景気減速により人工知能（AI）チップの需要が頭打ちになるのではないかという投資家の懸念が影響しているためです。
しかし、エヌビディアの強気な見通しは変わっていません。メリウス・リサーチのトップテクノロジーアナリスト、ベン・ライツェス氏によると、同社の新しいBlackwellグラフィック処理ユニット (GPU) が第4四半期に本格的に生産されることで、売上と収益が再び拡大すると見込まれています。
Blackwell GPUがエヌビディアの成長を牽引
エヌビディアの新しいBlackwell GPUは、AIやデータセンター、ハイパフォーマンスコンピューティングなど、幅広い分野での需要を見込んでいます。ライツェス氏は、この最新GPUが同社の収益性をさらに高め、利益率の向上にも寄与するだろうと述べています。特に、エヌビディアの現在の株価は同社の成長ポテンシャルに対して割安であり、今後の成長余地が大きいと指摘しています。
「マグニフィセント・セブン」中でも魅力的なバリュエーション
ライツェス氏はまた、エヌビディアが「マグニフィセント・セブン」グループに属するテクノロジー株の中で、2025年の株価収益率 (PER) が最も低いことにも注目しています。この点からも、同社が大型株の同業他社と比較して過小評価されている可能性が高いと分析しています。
「一言で言えば、エヌビディアは成長率が高いにもかかわらず、相対的に低価格です。さらにBlackwell GPUの売上が伸びれば、収益力も向上し、長期的な成長の見通しが改善されるでしょう」とライツェス氏は述べています。
エヌビディアの株価見通しと目標
エヌビディアの最近の株価低迷は、長期的な投資チャンスを示唆しています。ライツェス氏は、エヌビディアを「買い」と評価し、目標株価を165ドルと設定しました。これは、現在の株価からさらに42%の上昇が見込めるということを意味しています。
今後の成長ドライバーとして、エヌビディアのAIチップ需要やBlackwell GPUの売上拡大が期待されています。投資家は、今後数年間にわたってエヌビディアの株価がどのように推移するのか、特にAI分野でのイノベーションが続く中で注目する価値があります。
エヌビディアへの投資戦略
エヌビディアは短期的な株価の変動にかかわらず、引き続き成長が見込まれる企業です。特にAIやデータセンター分野での需要が引き続き強いことから、同社の中長期的な成長ポテンシャルは高いと見られています。短期的な株価下落を利用して、投資ポートフォリオにエヌビディアを加えることを検討する価値は十分にあると思われます。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA