注目のAI銘柄:スーパーマイクロが生む次世代の投資チャンス

AI分野での急速な成長に伴い、関連企業への注目が集まる中、サーバーメーカー、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)が投資家から大きな期待を集めています。著名なアナリスト、クイン・ボルトン氏は、スーパーマイクロの株価が今後さらに上昇すると予想しており、目標株価を600ドルと設定しました。これは、同社の現在の株価439.38ドルから約37%の上昇を意味します。

スーパーマイクロの強みとAI市場でのポジション

スーパーマイクロは、サーバーやストレージデバイス、ネットワーク機器を製造する情報技術企業です。特に注目されるのは、同社がGPUベースのコンピューターシステム液冷式ラックレベルソリューションの設計において先駆者的な役割を果たしている点です。ボルトン氏は、AIインフラへの投資が拡大する中で、スーパーマイクロがその恩恵を大いに享受すると予測しています。さらに、2021年から2026年までの売上の年平均成長率(CAGR)が55%を超えるとの見通しも示しています。

特に、生成AIの普及により、スーパーマイクロの製品需要が急増しており、2028年までに出荷台数の増加と平均販売価格の上昇が期待されています。このように、AI市場の成長とともにスーパーマイクロの収益性も大きく向上する見込みです。

株価の不安定さと懸念材料

しかし、スーパーマイクロに対する見方はすべてが楽観的ではありません。ファクトセットによる調査では、同社をカバーしている19人のアナリストのうち、7人が「買い」、11人が「ホールド」、1人が「売り」という評価を下しています。このため、投資家にとっては一部で不確実性が残ることも事実です。

実際、スーパーマイクロの株価は2024年3月13日に記録した最高値1,188.07ドルから63%も下落しました。これは、8月にヒンデンブルグ・リサーチが発表したショートセラーレポートに端を発しています。このレポートでは、「会計上の問題」や「未開示の関連当事者取引」、「制裁および輸出管理の不履行」、「顧客の問題」が指摘され、これが株価の急落につながりました。また、同社は6月30日締めの会計年度の10-K報告書の提出を遅延すると発表しています。

競争と課題の中での成長戦略

一方で、米国みずほ証券のアナリスト、ビジェイ・ラケッシュ氏は、スーパーマイクロの成長を認めつつも、短期的な課題に直面していると述べています。同社はAIサーバーが売上の約70%を占めており、AI市場のリーダーとしての地位を築いていますが、高い運転資本、競争の激化、利益率の低下圧力、内部統制の問題が懸念材料となっています。ラケッシュ氏は同社の投資評価を「ニュートラル」とし、目標株価を450ドルに設定しています。

スーパーマイクロの評価と今後の展望

スーパーマイクロの株価の下落に伴い、評価倍率も過去1年間で大きく変動しました。現在、同社の株価は12ヶ月先後の利益の12.2倍で取引されており、これは過去5年間の平均である13.1倍を下回っています。ボルトン氏によれば、同社の評価倍率は、AI関連企業としての高評価が続いた時期もあれば、ハードウェア関連企業としての評価に戻った時期もあったと指摘しています。

スーパーマイクロの株価は、今年に入ってから57%上昇しており、AI市場の成長が同社にとって大きな追い風となっています。AI市場でのシェア拡大が続く中、今後の株価動向にも引き続き注目が集まるでしょう。AI市場の成長は、スーパーマイクロを含む多くの企業にとって重要な機会であり、その成長がどのように進むかが今後の焦点となります。

まとめ

スーパーマイクロコンピュータは、AI市場の成長を背景に大きな注目を集めていますが、同時に短期的な課題にも直面しています。投資家にとっては、AI市場でのリーダーとしての地位を評価しつつ、リスク要因を慎重に見極めることが求められます。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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