アップル株が短期的に下落、しかし長期成長の期待は揺るがず

アップル(AAPL)は、9月9日に待望のiPhone 16を発表しました。多くのウォール街アナリストは、この新しいモデルが旧型のiPhoneからのアップグレード需要を喚起し、特に生成AIソフトウェアの提供が大きな売上を牽引すると予測していました。しかし、この発表に対する市場の反応は期待通りではなく、株価は発表後に一時的に下落しました。

9月9日から17日までの株式市場でアップルの株価は約1.9%下落しました。この一時的な株価の下落は、投資家がアップルの新しいAIアップデートが世界的に展開されるまでのタイムラインに対して懸念を抱いたことが一因とされています。アップルは、米国英語版の「Apple Intelligence」を10月に、他の英語圏や数カ国向けに12月にリリースする予定です。中国語やフランス語、スペイン語版のリリースは2025年まで延期される見込みで、これが市場の反応を鈍らせた可能性があります。

iPhone 16の需要に対する期待と懸念

バークレイズのアナリスト、ティム・ロング氏は、iPhone 16の中国市場での予約注文台数が前年と比較して減少していると報告しました。このデータに基づき、ロング氏はアップル株の格付けを「アンダーウェイト」とし、目標株価を186ドルと設定しました。競争の激化や消費者需要の不確実性が引き続き懸念材料となっています。

それに対し、モルガン・スタンレーのアナリスト、エリック・ウッドリング氏は、短期的なiPhone 16の需要データに対して過度に反応する必要はないと述べています。同氏は、リードタイム(商品が消費者の手元に届くまでの時間)が前年と比較して短縮されているものの、これが将来の需要を示す信頼できる指標ではないと指摘しています。重要なのは、今後の10日間でのリードタイムの動向であり、これが今後の販売を占う上でのより確かな指標になるとしています。

長期的視点でのアップルの成長期待

ウッドリング氏はさらに、アップルの成長は2026年に予定されているiPhone 17の発売が重要な鍵を握るとしています。同氏は、iPhone 16の短期的な売上に過度に依存せず、次の大きな製品サイクルに注目するべきだと述べています。モルガン・スタンレーはアップル株を「オーバーウェイト」と評価し、目標株価を273ドルとしています。短期的な株価の変動はあまり重要ではなく、長期的にはiPhone 17や次世代製品が成長を牽引するという見解です。

実際、18日の取引ではアップルの株価は1.8%上昇し、220.73ドルとなりました。年初来では約15%の上昇を記録しており、S&P 500が横ばいで推移する中でも安定した成長を見せています。

投資家が注目すべきポイント

アップル株への投資は短期的な株価変動に左右されず、長期的な視野での成長を見据えることが重要です。iPhone 16の需要は現時点では不透明かもしれませんが、アップルの次の製品サイクルやAI技術の進展により、将来的な売上増加が期待されます。

アップルの製品ラインナップや技術革新は今後も市場をリードし続ける可能性が高く、投資家にとっては中長期的な観点から魅力的な投資対象と言えそうです。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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