デル・テクノロジーズ(DELL)の株価が9月17日の米国市場で0.8%あまり上昇しました。この株価上昇の背景には、米国みずほ証券のアナリストであるビジェイ・ラケッシュ氏によるアウトパフォーム評価が影響しています。ラケッシュ氏は、デルの独自の強みと成長可能性に注目し、同社をポジティブに評価しています。
デルの成長要因:AIサーバー市場への注力
ラケッシュ氏は、デルに対して135ドルの目標株価を設定しました。これは、16日の終値から約17%の上昇余地があることを意味します。同氏の評価の基盤には、AIサーバー市場の成長が大きく関わっています。
ラケッシュ氏によると、2027年までに世界のサーバー市場は4060億ドルに達すると予測されています。デルは、この市場でリーダーシップを発揮しており、市場の約13%を占めるシェアを持っています。さらに、AIサーバーの拡大を追い風に、今後も市場での地位を強化する見通しです。
デルの財務状況と多様な収益源が安定成長を支える
ラケッシュ氏は、デルの強固なサプライチェーンや、多様な製品ラインが同社の競争力を高めていると述べています。PCの更新サイクルやエンタープライズストレージ市場の成長も、同社の業績にプラスの影響を与えると予想されています。
実際、8月29日に発表されたデルの第2四半期の決算報告では、売上高と収益がウォール街の予想を上回りました。特に、AIサーバー事業の売上高は32億ドルに達し、前年同期比で23%の成長を記録しています。
他のアナリストの見解:慎重な意見も存在
一方で、デルの成長に対して慎重な姿勢を示すアナリストもいます。サスケハナのアナリストであるメフディ・ホセイニ氏は、デルに対して中立評価を与え、目標株価を120ドルに設定しました。同氏は、PCやストレージデバイスの需要が引き続き高い一方で、AIへの投資が高額であり、不確実性が存在する点を指摘しています。
スーパー・マイクロ・コンピュータとの比較
ラケッシュ氏は、デルがAIサーバー市場で優位に立っているとしつつ、サーバーメーカーのスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)については慎重な見方をしています。同社に対しては、ニュートラル評価と450ドルの目標株価を設定しました。
スーパーマイクロは、今年に入ってから58%の株価上昇を記録していますが、3月に付けた最高値からは62%下落しています。特に、ヒンデンブルグ・リサーチによるショートセラーレポートで指摘された会計上の問題や未開示の取引などが投資家の懸念材料となっています。
まとめ
デル・テクノロジーズは、AIサーバー市場でのリーダーシップや多様な収益源を持ち、今後も成長が期待される企業です。米国みずほ証券のラケッシュ氏が提示する135ドルの目標株価は、投資家にとって大きな期待を抱かせます。一方で、AI分野の不確実性や競争環境の厳しさを考慮し、慎重な見方をする意見もあります。
デル株は注目の銘柄であり、今後の動向を注視する価値があります。最新の情報を基に、投資判断を行うことが重要です。
*過去記事 デル・テクノロジーズ DELL