注目はiPhoneよりもApple WatchとAirPods!アップルの戦略転換に迫る

アップル(AAPL)が9月9日に開催したiPhone発表イベントでは、多くの投資家やアナリストが待ち望んでいた大型のiPhoneアップグレードサイクルの開始を期待していました。しかし、実際にはiPhoneの発表よりも、Apple WatchやAirPodsなどのアクセサリーに対する注目が集まりました。

アクセサリーに焦点がシフトしたアップルイベント

オッペンハイマーのアナリスト、マーティン・ヤン氏は「今年のイベントは、iPhoneよりもアクセサリーに大幅なアップグレードが加えられたことに感銘を受けた」と述べています。特に、Apple Watchは新型モデルで睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知する機能が追加され、AirPods Pro 2には基本的な補聴器機能が搭載されることが発表されました。

これらのアクセサリーの進化は、ウェアラブル業界全体の水準を引き上げる重要なものであり、ユーザー体験を大きく向上させる要因となっています。一方で、iPhone 16シリーズの変更点は控えめで、側面にカメラコントロールボタンが追加された程度でした。

iPhone 16シリーズとアップルのAI戦略

iPhone 16シリーズのアップデートは控えめでしたが、アップルは生成AIに関する未来展望を示しました。同社は、Apple Intelligenceの展開について発表し、アメリカでは2023年10月に、他の言語バージョンは来年からの展開が予定されています。このAIの展開は、今後のアップル製品において大きな意味を持つとされていますが、現時点でのiPhone 16シリーズへの直接的な影響は限定的です。

ヤン氏は「iPhoneの大規模なアップグレードサイクルは来年、Apple Intelligenceが本格的に展開されることで実現するだろう」と述べ、目標株価を250ドルとしています。

ウォール街の反応:期待感と慎重さ

ニーダムのアナリスト、ローラ・マーティン氏は、アップルのイベント後の反応について「来年がより良い年になるというメッセージが強調されている」と述べています。同氏はアップルの格付けを「買い」とし、目標株価を260ドルとしました。イベント後も、ウォール街は慎重ながらも前向きな見方を維持しています。

メリウス・リサーチのベン・ライツェス氏も、アップルのAIソフトウェアが今後のiPhoneの販売サイクルを加速させる可能性があると指摘しています。特にAIを活用した新機能が、次世代のiPhoneユーザーに大きな価値を提供するだろうと述べています。同氏は目標株価を265ドルとし、格付けを「買い」と評価しています。

まとめ:アップルの未来はアクセサリーとAIに注目

今回のiPhone 16シリーズの発表イベントでは、アップルのハードウェアの進化が大きく取り沙汰されることはありませんでしたが、ウェアラブルデバイスやAI技術の進展が注目を集めました。特に、来年以降のApple Intelligenceの本格的な展開により、アップルの製品ライン全体にさらなる革新が期待されます。これにより、来年はiPhoneの売上が再び成長する重要な時期となる可能性が高いと予想されます。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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