S&P 500に組み入れられる次の企業は?アポロ、ワークデイ、トレードデスクに注目

S&P 500指数は、米国株市場における最も重要なベンチマークの一つとして知られ、大手企業の業績と市場価値を反映しています。9月23日の取引開始前に、デル・テクノロジーズ(DELL)パランティア・テクノロジーズ(PLTR)イーリー・インデムニティ(ERIE)の3社が新たにS&P 500に追加されることが発表されました。これにより、これらの企業は米国株市場での更なる注目を集めることになりそうです。

S&P 500に追加される理由とは?

S&P 500に組み入れられる企業は、その規模と収益性に基づいて選定されます。特に、直近4四半期においてGAAP(一般に公正妥当と認められた会計基準)に基づいた収益が重要な指標となります。今回、選ばれたデルとパランティアは、どちらもS&P 500に含まれていない企業の中で最も大きな企業でした。

  • デル・テクノロジーズ(DELL):時価総額720億ドル。ハードウェアおよびソフトウェアのリーダーで、長年にわたりIT業界を牽引しています。
  • パランティア・テクノロジーズ(PLTR):時価総額680億ドル。データ解析とソフトウェアの大手プロバイダーで、特に政府機関や企業向けに強い存在感を示しています。
  • エリー・インデムニティ(ERIE):保険分野での安定した成長を続ける企業。S&P MidCap 400からの昇格となりました。

次にS&P 500に加わる可能性がある企業

S&P 500への次の追加候補として、多くの市場アナリストがアポロ・グローバル・マネジメント(APO)やワークデイ(WDAY)トレードデスク(TTD)コインベース・グローバル(COIN)に注目しています。

  • アポロ・グローバル・マネジメント(APO):時価総額610億ドル。KKRやブラックストーンに次ぐオルタナティブ資産運用会社として、S&P 500への追加が見込まれています。特に、年金の主要プロバイダーであることや大手保険会社の運営も手掛けている点が評価されています。
  • ワークデイ(WDAY):時価総額670億ドルの大手ソフトウェアプロバイダーであり、企業向けクラウドベースの人事および財務管理ソリューションを提供しています。GAAP基準で収益性を維持していることがS&P 500への可能性を高めています。
  • トレードデスク(TTD):デジタル広告プラットフォームのリーダーで、特に株式報酬を含まないGAAP基準での利益を達成することが期待されている企業です。時価総額は300億ドル超。
  • コインベース・グローバル(COIN):暗号資産取引所の大手。時価総額は500億ドルを超えており、収益性も改善されていますが、GAAPベースでの四半期収益が鍵となりそうです。

なぜ一部の企業はまだS&P 500に入れないのか?

例えば、投資家に人気のマーベル・テクノロジー(MRVL)のような企業はGAAPベースでの収益性を達成していないため、S&P 500への組み入れが遅れる可能性があります。多くのテクノロジー企業が、株式報酬を含む非GAAP収益で利益を上げていますが、S&PはGAAP基準に基づいて企業を選定するため、この点が影響しています。

また、エネルギー・パイプライン企業のエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)は時価総額620億ドルと規模は大きいものの、S&Pはエネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態であるマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)を組み入れていないため、S&P 500の候補からは除外されています。

まとめ

S&P 500への追加は、企業にとって大きな栄誉であり、投資家にとっても重要な指標となります。これからもデル・テクノロジーズやパランティア・テクノロジーズ、イーリー・インデムニティのような企業が市場でさらなる存在感を示す一方、アポロ・グローバル・マネジメントやワークデイといった有力候補がS&P 500に加わる日は近いと思われます。

今後もS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスの動向を注視し、新たな企業がどのタイミングで組み入れられるかを見守ることが、投資戦略において重要です。

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