エヌビディアの大幅下落!4060億ドルの時価総額喪失と半導体業界の低迷

エヌビディア(NVDA)の株価が、先週発表された決算報告の余波を受けて引き続き下落しています。同社はここ数日で大きな売り圧力を受け、株価が6営業日のうち4営業日も下落する事態となっています。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、エヌビディアはこの2年間で最悪の週次パフォーマンスを記録しており、今週だけで13.9%の下落となりました。

エヌビディアの時価総額に大打撃!4060億ドルの喪失

エヌビディアは今週、4060億ドルという膨大な時価総額を失いました。これは米国企業史上最大の減少額であり、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やクアルコム(QCOM)などの半導体企業の時価総額をも上回る額です。エヌビディアの9月6日現在の時価総額は約2兆5000億ドルとなっていますが、ここまでの下落は投資家に大きな不安をもたらしています。

決算報告が引き起こした市場の不安

先週発表されたエヌビディアの決算報告では、いくつかの市場に懸念を生じさせる要素が明らかになりました。まず、同社はこれまでの圧倒的な成長とは異なり、今回は小幅な上振れにとどまったため、今後もこれまでの勢いを維持できるかどうかが疑問視されています。また、近い将来の利益率の動向についても懸念が広がっており、これが株価の下落を招いている要因の一つです。

市場全体の低迷がエヌビディア株に追い打ち

エヌビディアにとどまらず、S&P 500指数 (SPX) は2023年3月以来最悪の週次パフォーマンスを記録しました。特に半導体セクター全体が低迷しており、人工知能(AI)関連企業として注目を集めるもう一つの大手企業ブロードコム(AVGO)も、9月5日に予想を上回る業績を発表したものの、半導体部門では期待に応えられませんでした。

エヌビディアの株価下落は、こうした市場全体の動きとも無縁ではありません。PHLX半導体指数 (SOX) も6日の取引で4.5%の下落を記録し、セクター全体が厳しい状況に直面しています。

今後のエヌビディア株の行方は?

米国みずほ証券のデスクトップアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、エヌビディアの株価が「今後数週間のうちに130ドル以上に回復することはない」と予測しています。直近では、株価は102ドル前後で推移しており、短期的には市場圧力が続く見通しです。

「今後数週間、マクロ経済データが改善されるまで、半導体業界全体は低迷した状態が続くだろう」とクライン氏は述べています。一方で、「パニックに陥って半導体株を売り急ぐ必要はないが、弱気市場で積極的に買い増しする理由もない」とも指摘しています。

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ビベック・アーリア氏は依然として強気の姿勢を保っており、エヌビディアの目標株価を165ドルとしています。ただし、規制圧力やAIの収益化がスムーズに進むかどうかなど、いくつかの逆風に警戒感を示しています。

「今後数週間でサプライチェーンのデータポイントが明確になれば、エヌビディアの新製品が回復の鍵を握るかもしれない」と同氏は楽観的な見方を示しています。

まとめ:エヌビディア株への今後の期待

エヌビディア株は今、厳しい状況に直面していますが、市場全体のマクロ経済動向や同社の新製品の展開次第で、今後の回復の可能性も十分に残されています。長期的な視点で見れば、半導体およびAI市場の成長は続くと考えられており、エヌビディアの強固なポジションが引き続き注目されると思われます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!