決算好調なのに株価急落!シースリー・エーアイに何が起きた?

  • 2024年9月6日
  • 2024年9月6日
  • BS余話

9月4日に発表された シースリー・エーアイ(AI)の決算は、予想を上回る好調な内容でしたが、5日の取引では株価が11.65%も下落しました。この急激な株価下落に関して、シースリー・エーアイのCEOであるトーマス・M・シーベル氏は、「市場が同社の数字を誤解している」とコメントしています。

四半期決算の詳細 – 売上と利益は予想を上回るも…

シースリー・エーアイは、7月四半期の決算で、1株当たり損失が5セントと発表しました。この結果は、ファクトセットが追跡しているウォール街のアナリストによる13セントの損失予測を上回るものでした。また、売上高は8,720万ドルに達し、アナリスト予想の8,690万ドルをわずかに上回りました。

次期見通しも順調

同社は、次の四半期の売上が8,860万ドル〜9,360万ドルの範囲になると予測しています。これもアナリストのコンセンサス予想である9,110万ドルに近い数字です。全体として、シースリー・エーアイは堅調な業績を報告しており、CEOのシーベル氏は「エンタープライズAIに対する需要の高まりで、売上成長が6四半期連続で加速している」と述べ、順調なスタートを切ったことを強調しています。

株価急落の要因 – サブスクリプション売上の失望

それにもかかわらず、5日の取引で株価が12%も下落した背景には、投資家の失望が影響している可能性があります。その要因の一つは、シースリー・エーアイの7月四半期のサブスクリプション売上が7,350万ドルであったことです。この結果は、ファクトセットが追跡しているアナリスト予想の7,920万ドルを下回るもので、投資家は期待外れと感じたようです。

市場の誤解 – ソフトウェア売上の分類変更

この失望感に対して、シーベル氏は『バロンズ』誌のインタビューで、「市場はシースリー・エーアイの売上内訳について根本的な誤解をしている」と述べました。同氏によると、シースリー・エーアイが報告した1,400万ドルのサービス売上のうち、1,000万ドルは元々ソフトウェアとして分類されていたものが、数年前の会計規則の変更により、サービスとして計上されたとのことです。

「実際にはこれは機能しているソフトウェアであり、ただの誤解に過ぎない」とシーベル氏は述べています。市場は一部のデータに過剰に反応している可能性があり、このことが株価急落を招いたと見られています。

シースリー・エーアイの未来 – 黒字化への道筋

また、シーベル氏は、シースリー・エーアイが最終的には黒字化するだろうと強調しました。同氏は、「数四半期前に成長への投資を決断したのは、株主の長期的な利益を考えた結果である」と語り、短期的な黒字化を急ぐよりも、持続可能な成長と市場シェアの拡大を重視していることを明らかにしました。

「黒字化は規模の問題だ」とシーベル氏は述べており、現在の成長戦略が最終的には同社の黒字化に寄与することを強調しています。

エンタープライズAIソリューションの提供分野

シースリー・エーアイは、製造業、金融サービス、政府、公益事業、石油・ガス、化学、防衛など、幅広い業界の顧客に対し、40以上のエンタープライズAIアプリケーションを提供しています。エンタープライズAIのリーダー企業として、業界全体にわたるAIの普及を後押しし、その技術力を武器に競争力を高めています。

まとめ – 今後の展望

今回の株価急落は、市場の誤解による一時的な現象であり、シースリー・エーアイの長期的な成長を止めるものではないと考えられます。エンタープライズAIに対する需要は引き続き高まっており、シースリー・エーアイはその成長軌道を維持しています。同社の黒字化への道筋も見えてきており、今後の動向に注目が集まります。

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