製薬業界の新たな巨人!イーライ・リリーは1兆ドルを超えるか?

  • 2024年9月2日
  • 2024年9月2日
  • BS余話

バークシャー・ハサウェイが非テクノロジー企業として初めて時価総額1兆ドルの壁を突破したことは記憶に新しいですが、次にこの特別なクラブに加わるのは、製薬大手のイーライ・リリー(LLY)かもしれません。同社は、減量用注射薬「マンジャロ」と「ゼプバウンド」の成功により、飛躍的な成長を遂げています。この記事では、イーライ・リリーが1兆ドルのマイルストーンにどれほど早く到達できるかを分析します。

イーライ・リリーの成長要因:GLP-1製剤の成功

イーライ・リリーの株価は、2024年に入ってから約65%上昇し、時価総額は現在約8650億ドルに達しています。同社の成功の大部分はGLP-1製剤である「マンジャロ」と「ゼプバウンド」によるものです。これらの薬剤は、糖尿病や心血管疾患の治療に加え、減量効果も期待されています。

1兆ドル達成に必要な株価

イーライ・リリーが時価総額1兆ドルに到達するには、株価が1,110ドルを超える必要があります。現在のウォール街のコンセンサス目標株価は約1,012ドルであり、これは現在の株価から約5.5%の上昇を意味します。

複数のアナリストは、イーライ・リリーがこの目標に近づくことを確信しています。BMOキャピタル・マーケッツのエヴァン・セイガーマン氏は、目標株価を1,101ドルと設定し、「G.O.A.T. in the making(史上最高)」と称賛しています。さらに、モルガン・スタンレーのテレンス・フリン氏は、目標株価を1,106ドルとし、GLP-1薬の成功が1兆ドルへの道を切り開くとしています。

最新の業績と将来の見通し

イーライ・リリーの最新の決算報告書では、マンジャロの売上が前年同期比で3倍以上に増加し、約31億ドルに達しました。マンジャロとゼプバウンドの売上は、同社の総売上高の約40%を占めています。この成長は、同社が市場において卓越した商業的実行力を発揮していることを示しています。

収益は今年2倍以上になり、2025年にはさらに40%の増加が見込まれています。また、売上高も今年35%以上、2025年には25%増加すると予想されています。これらの数字は保守的なものであり、実際にはさらに上振れる可能性もあります。

競合他社との競争と市場の挑戦

イーライ・リリーは、GLP-1製剤を手がけるノボ・ノルディスク(NVO)などの競合他社と激しい競争に直面しています。また、ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)などがGLP-1薬の廉価版を販売し始めており、市場競争はますます厳しくなっています。しかし、イーライ・リリーは減量用の経口剤「オルフォグリプロン」の開発も進めており、この分野での競争力を維持しています。

まとめ:イーライ・リリーの未来

イーライ・リリーが時価総額1兆ドルのクラブに仲間入りする日は、そう遠くないかもしれません。GLP-1薬の成功と今後の成長見通しにより、同社はますます注目を集めています。次回の決算報告や新製品の発表が、この目標達成を後押しする可能性が高いと見られています。

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