テクノロジー業界での競争は常に熾烈ですが、その中でエヌビディア（NVDA）は特に輝く存在として注目されています。近年、同社は生成AI市場において圧倒的な地位を築いており、その支配力はますます強化されています。
ネバダ州リノに拠点を置く資産運用会社ナベリエ・アンド・アソシエイツの創業者、会長、最高投資責任者、最高コンプライアンス責任者であるルイ・ナベリエ氏がマーケットウォッチに寄稿した記事において、エヌビディアがどのようにしてこの優位性を維持しているのか、そして競合他社が同社に対抗するためには何が必要で、今後どうなりそうなのか、見解を述べていますので紹介します。
エヌビディアの圧倒的な技術力と市場支配
エヌビディアは、AIチップ市場において他を圧倒する技術力を誇っています。同社のH100 GPUは、過去4四半期にわたって驚異的な売上を記録しており、新たに開発中のBlackwell GB200 GPUも高い期待を集めています。この新型GPUは、AI技術の進化を加速させる可能性を秘めており、既にアルファベット（GOOGL）、メタ・プラットフォームズ（META）、マイクロソフト（MSFT）などの大手企業が数十億ドル規模で注文を行っています。
しかし、Blackwell GB200 GPUの発売が遅延するとの報道もあり、これはTSMCで知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング（TSM）の技術的な問題が原因とされています。こうした状況にもかかわらず、エヌビディアは依然として市場をリードしており、競合他社にとってこの遅延が追い風になる可能性は低いとナベリエ氏は見ています。
競合他社が直面する課題
エヌビディアと競争するためには、ライバル企業は今後数年間で数十億ドルを投じる必要があるとナベリエ氏は考えています。例えば、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）は2023年の研究開発費として売上の26.1%を投入し、インテルは29.6%というさらに高い割合を費やしています。しかし、エヌビディアは昨年14.2%と比較的抑えた割合の研究開発費で、他社を凌駕する成果を上げていると同氏は指摘しています。
このような状況は、エヌビディアが単なる技術力の高さだけでなく、効率的な資金運用により市場を独占していることを示していると同氏は言います。テクノロジー業界において、勢いと市場シェアは非常に重要であり、エヌビディアは生成AIの進化に伴って、さらなる支配力を発揮することになると同氏は予測しています。
独占の未来と投資戦略
エヌビディアの独占的地位は、今後も続くとナベリエ氏は予想しています。同社は2020年代末まで毎年AIチップセットをアップグレードする計画を持ち、将来的には量子コンピューティングに向けた準備も進めています。このような長期的なビジョンと技術的優位性により、エヌビディアは依然として競争相手に先んじていると指摘しています。
同氏の投資哲学においては、エヌビディアのような独占企業に早期に投資することが成功の鍵となっています。エヌビディアは、同氏のファミリーオフィスが管理するポートフォリオで最大の保有銘柄であり、2019年に推奨した際から2000%以上の上昇を記録しています。歴史的に見ても、競争が生まれる前に独占企業に投資することが、最大の利益をもたらすことが多いと同氏は述べています。
まとめ
エヌビディアが生成AI市場で築いた独占的地位は、今後も続くとナベリエ氏は見込んでいます。競合他社が同社に追いつくためには膨大な資本とリソースが必要であり、それでも成功する保証はないと同氏は見ています。技術革新と市場支配を両立させるエヌビディアの戦略は、他社にとって脅威であり続けるとする同氏は、エヌビディアの独占を打ち破るような有力な挑戦者は現れないと予想しています。
そのため、エヌビディア株をさらに数年間保有し、この素晴らしい企業での旅を楽しもうと考えていると同氏は記事を結んでいます。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA