8月26日の米国市場において、エヌビディア（NVDA）の株価は決算発表を前に下落し、先週の上げ幅の一部を失ってしまいました。
この動きは、他のテクノロジー株に見られる下落と一致しています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）株は3.22%下落し、ブロードコム（AVGO）株も4.05%下落しました。エヌビディアの株価は2.25%下落し、126.46ドルとなりました。23日に4.6%上昇して取引を終えたあとの下落でしたが、依然として今年に入ってから150%以上の上昇を維持しています。
エヌビディアは、人工知能（AI）の分野で先行指標として注目されており、28日の米国市場終了後に第2四半期の決算を発表する予定です。市場では、エヌビディアの四半期収益と売上高が前年同期比で2倍以上になると予想されていますが、特に注目されるのは今期のガイダンスと、2025年初頭に大量出荷が予定されている次世代「Blackwell」チップに対する初期需要の兆候です。
Blackwellチップの生産に遅延の可能性
一部の報道によると、エヌビディアの次世代Blackwellチップの生産と出荷に遅延が生じる可能性が指摘されています。エヌビディアはこの件に関して公式のコメントを出していないものの、ガベリ・ファンドのポートフォリオ・マネージャーであるジョン・ベルトン氏は、「遅延は比較的短期間にとどまる可能性が高く、製造上の問題ではなく設計上の欠陥が原因である」とコメントしています。
中国市場での需要と供給の逼迫
エヌビディアのハードウェアに対する需要は依然として強く、特に中国市場では、最先端チップの輸出禁止にもかかわらず、一部の顧客が分散コンピューティングプラットフォームを活用してエヌビディアのグラフィック処理ユニット（GPU）を使用していると報じられています。
ジェフリーズのアナリスト、ウィリアム・ビバートン氏は、「BlackwellやRubinといった今後発売される製品への継続的な需要と逼迫した供給能力を考慮すると、今後4四半期にわたってエヌビディアのクラウドAIが好調を維持するだろう」との見解を示しています。
まとめ
エヌビディアは、決算発表を控えたタイミングで株価が下落しましたが、これはテクノロジー株全体の動きと一致しています。次世代チップの生産に関する懸念があるものの、同社の強固な市場ポジションと継続的な需要が株価の安定に寄与する可能性があります。今後の決算発表とガイダンスに注目が集まります。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA