エヌビディア(NVDA)は、8月28日の決算発表で再び市場を驚かせることができるでしょうか?前回の決算発表は、メリウス・リサーチのアナリストであるベン・ライツェス氏が「これまでに聞いた中で最高のもの」と称賛するほどのものでした。エヌビディアが再びその高評価を得ることができるのか、注目が集まっています。
トリプルリンディとは?
ライツェス氏は、前回のエヌビディアの決算発表を映画「バック・トゥ・スクール」に登場する「トリプルリンディ」に例えました。これは、複数のボードからのリバウンドを伴う難易度の高いダイブを成功させる場面のことを指しますが、エヌビディアにとってのトリプルリンディとは、次のようなシナリオを意味します:
- 最新四半期の売上予測を20億ドル上回ること
- 次の四半期の売上見通しを、最新四半期の売上からさらに20億ドル上回る水準にすること
- その次の四半期にさらに20億ドルの売上成長が可能であることを示唆する発言を行うこと
ただ、ライツェス氏は「このシナリオが現実になる可能性はあるが、長期的視点を持つ投資家にとっては必須ではない」とし、エヌビディアが2025年度(2024年1月終了)において、データセンターの売上が約1,050億ドルに達する可能性がある中で、予測を立てるのは簡単ではないと述べています。
エヌビディアの成長予測への期待
ライツェス氏は、エヌビディアの経営陣が次年度の成長予測に対する信頼感を投資家に与えることが最も重要であると考えています。アナリストたちは、エヌビディアの次の会計年度におけるデータセンターの売上が約1,500億ドルになると予測しています。投資家は、Blackwell(エヌビディアの新しいチップ)の予測が慎重すぎるものでないことを確信したいと考えています。
Blackwellの課題と市場の反応
Blackwellは、新技術の導入に際して出荷遅延が報告されていますが、エヌビディアがこの問題に対処するかどうかは注目点です。TSMC(台湾積体電路製造)がBlackwellの需要に追いつけないという噂があるものの、エヌビディアは順調に進んでいると示すことができれば、投資家は安心します。
ライツェス氏は、エヌビディアが今年秋にBlackwellのサンプル出荷のタイムラインを示すことが、2025年上半期以降の「力強い」パフォーマンスを後押しするだろうと述べています。同氏は買い推奨を維持し、目標株価を160ドルとしています。
ハイパースケール・クラウドプロバイダーの重要性
エバコアISIのアナリスト、マーク・リパシス氏は、エヌビディアの決算発表前に同社株を購入することを投資家に推奨しています。同氏は、ハイパースケール・クラウドプロバイダーの資本支出がエヌビディアのシステム需要を示す最良の指標の一つであると指摘し、第2四半期には前期比で20%増加するとの分析を示しています。さらに、第3四半期には8%、第4四半期には10%の増加が見込まれています。
過去のエヌビディア製品の遅延事例に基づいて、リパシス氏はBlackwellの遅延に関するネガティブなニュースが短期的に株価を5%から10%押し下げる可能性があると予測しています。しかし、エヌビディアはこれまで代替ソリューションを迅速に見つける能力を示してきました。
同氏は、目標株価を145ドルから150ドルに引き上げ、「アウトパフォーム」の格付けを維持しています。
今後のエヌビディア株価の見通し
ジェフリーズのアナリスト、ブレイン・カーティス氏は、エヌビディア株に対する期待が再び高まっていると述べています。10月と1月の四半期における売上高はコンセンサス予測を10億ドル上回るものの、その数字をさらに上回ることは難しいかもしれないと同氏は考えています。
同氏は、エヌビディア株が過去の最高値に近づくにつれて、投資判断が難しくなると警告しながらも、同社株を「買い」と評価しています。
まとめ
エヌビディアは、その強力な成長軌道を維持しつつありますが、投資家は来年の見通しに対して慎重に注視する必要があります。新しいチップ「Blackwell」の進捗やデータセンター売上の動向が、今後の株価動向に大きな影響を与える可能性があります。エヌビディアの次回決算発表が、再び市場を驚かせる結果となるか、注目が集まっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA