大手テクノロジー企業は市場の変動を乗り越え、再び好調な業績を上げていますが、その中でも、注目すべき企業として、アップル （AAPL）の名前をあげるアナリストがいます。フリーキャッシュフローの観点から見て、アップルは非常に魅力的な投資先だと評価されています。
テクノロジー企業のフリーキャッシュフローに注目
8月初旬の市場状況を振り返ると、ナスダック100種指数はAIを活用する大手企業、例えばマイクロソフト（MSFT）、メタ・プラットフォームズ（META）、アルファベット（GOOGL）などが主導して約10%上昇しました。投資家たちは、これらの企業が今後の利益成長を牽引すると考えていますが、そのすべてが必ずしも「買い」と言えるわけではありません。
メリウス・リサーチのアナリスト、ジャック・アデア氏は、マイクロソフト、メタ、アルファベット、オラクル （ORCL）の4社が生み出すフリーキャッシュフローは、予想純利益を下回る可能性が高いと見ています。2025年のフリーキャッシュフローの予想は合計で約2360億ドルとされており、これは予想される純利益2940億ドルの約80%に相当します。
このギャップの主な原因は、AI技術の強化に向けたデータセンターへの積極的な資本支出です。これにより、フリーキャッシュフローが圧迫されているのです。マイクロソフトとオラクルは、次の12ヶ月のフリーキャッシュフローの40倍、37倍で取引されており、これはS&P500指数の24.7倍を大きく上回っています。
アップルのフリーキャッシュフローが注目される理由
一方で、アップルの状況は異なります。表面的には、アップルの株価収益率（P/E）は31倍と、マイクロソフトやアマゾン（AMZN）に近いものの、他の大手テクノロジー企業と比べて割高感はありません。特に注目すべきはアップルのフリーキャッシュフローの見通しです。
アップルは、2025年に予想されるフリーキャッシュフローが1249億ドルで、純利益の1144億ドルを上回ると予想されています。これが可能な理由は、アップルがすでに主要な資産を確保しており、AIの導入にそれほど大規模な投資を必要としないからです。また、アップルの資本支出は比較的緩やかに増加すると見られており、2024年には約100億ドル強に達する程度です。
アップルの将来展望：フリーキャッシュフローが鍵
アップルのiPhone販売は、AIを取り入れたアップグレード需要によって来年も成長を続けると予想されています。また、同社のサービス事業は二桁台前半の成長を遂げると見込まれており、総売上高は2024年に約8%増加して4285億ドルに達する可能性があります。
このような成長が続けば、アップルのフリーキャッシュフローは今後数年間でさらに拡大し、2027年には1400億ドルに達すると予測されています。これにより、アップルの1株当たりフリーキャッシュフローは大幅に増加することになります。
さらに、アップルは自社株買いを進めており、これにより2027年にはフリーキャッシュフローが1株あたり9.20ドルを超える可能性があります。現在の株価226ドルは、この予測に基づくと2027年のフリーキャッシュフローの25倍未満であり、非常に割安と判断できます。
まとめ：アップルは「お買い得」か？
アップルのフリーキャッシュフローの見通しを考慮すると、現在の株価は今後の成長を見据えた場合に非常に魅力的です。アナリストのアデア氏も指摘するように、アップルは将来的に大きな利益を生み出す可能性が高い企業であり、現在の株価は投資家にとって「お買い得」と言えそうです。
＊過去記事はこちら アップル AAPL