エヌビディア(NVDA)の株価は8月20日の米国市場で2.1%下落し、127.25ドルで取引を終了しました。しかし、この一時的な下落は、8月の最安値から30%以上の急上昇を遂げている中での小休止と見られます。
株価の短期的な動向と背景
エヌビディアの株価は、19日に4.4%の急上昇を記録し、これで6日連続で上昇しました。株価はこの期間中に23%も上昇しており、11月以来の最長連騰記録に迫っていました。しかし、20日は2.1%の下落で取引を終了しました。市場には新たな下落要因は見当たらず、この下落は一時的な調整と見られています。
さらに注目すべきは、エヌビディアの株価が8月7日の98.91ドルから30%以上も上昇している点です。当時は次世代ブラックウェル・チップの出荷遅延報道により、株価が100ドルを割り込んでいましたが、その後急速に回復しました。
年間パフォーマンスと競合比較
エヌビディアの株価は、2024年に入ってから157%もの上昇を記録しています。S&P 500指数(SPX)は同期間で18%上昇、ナスダック総合指数(COMP)は19%の上昇を見せており、エヌビディアは市場全体を大きく上回る成長を遂げています。
AI関連の投資期待が株価を後押し
エヌビディアの強力な株価パフォーマンスの背景には、AI関連技術への投資期待が大きく影響しています。特に、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)などの大手テクノロジー企業が、AIインフラストラクチャーに向けてエヌビディアのチップを積極的に採用しています。来週予定されているエヌビディアの決算報告では、これらの企業によるAI投資が業績にどのように反映されるかが注目されています。
業界の見通しとウォール街の反応
テクノロジーサービス企業USTの調査によれば、IT意思決定者の89%がAI導入に向けた支出を増やす必要があると回答しています。このような調査結果からも、AI関連の支出が今後も続く可能性が示唆されています。
サスケハナのアナリスト、クリストファー・ロラン氏は、エヌビディアの株式について「買い」の格付けを維持し、160ドルの目標株価を提示しています。同氏は、エヌビディアのデータセンター向けGPU「H100」への需要が引き続き強いことを指摘しており、クラウドコンピューティング大手が計画する45%の資本支出増加がエヌビディアの業績に寄与すると予測しています。
まとめ
エヌビディアの株価は短期的には一時的な下落を見せましたが、長期的な上昇トレンドが続いています。AI関連技術への投資が引き続きエヌビディアの業績を押し上げると見られ、今後の決算報告にも注目が集まっています。
エヌビディアは引き続き、投資家にとって重要な銘柄であり、AI技術の発展とともにその価値がさらに高まる可能性があります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA