最近、エヌビディア（NVDA）の株価は大きな波乱を経験しましたが、強気派が再び勢いを取り戻しています。半導体メーカーであり、AI（人工知能）分野でリーダーシップを発揮しているエヌビディアは、短期間で驚異的な回復を遂げ、先週（8月12日〜16日）は1年以上ぶりの最高の週次パフォーマンスを記録しました。
エヌビディア株価の最近の動向
8月初旬、エヌビディアの株価は一時的に弱気相場に突入し、多くの投資家が大手テクノロジー企業から資金を引き上げる懸念が広がりました。この不安の一因として、エヌビディアの新型ブラックウェル・チップのリリース遅延が囁かれ、AIバブルが弾ける可能性が取り沙汰されました。その結果、エヌビディアの株価は8月7日に3ヶ月ぶりの安値である98.91ドルにまで下落し、これは6月18日の過去最高値135.58ドルから27%の大幅な下落を意味しました。
ウォール街では、株価が最高値から少なくとも20%下落した場合、通常「弱気相場」と見なされます。エヌビディアの株価も一時的にこの基準を満たす形となりました。しかし、状況は急速に変化しました。
強気派の反撃と今後の見通し
先週に入ってから、エヌビディアの株価は再び上昇に転じました。特に、バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズがエヌビディアを「反発」のトップピックと評価したことが大きな追い風となり、株価は週明けから4.1%の上昇を記録しました。その後も強気派が主導権を握り、16日の終値ではさらに1.7%上昇。これにより、エヌビディアの株価は5日連続で上昇し、今週の合計で18.9%もの上昇を見せました。このパフォーマンスは、2023年5月22日〜26日の週に記録した24.6%上昇以来の最高の週次パフォーマンスです。
AIブームとエヌビディアの役割
エヌビディアの株価回復の背景には、AIへの期待が大きく影響しています。ウェドブッシュ証券のテクノロジーアナリストチームは、AI関連支出のブームが終焉を迎えるのではないかという懸念よりも、むしろテクノロジー株がさらに上昇する可能性があると指摘しています。
「ローマは一日にして成らず。この前例のないAI革命も同様だ」と、アナリストたちは述べています。彼らは、現在のAI革命は、1995年のインターネットの始まりに似ており、1999年のITバブルとは異なると強調しています。つまり、今後もAI関連企業への投資機会が続くと見ているのです。
今後の展望：エヌビディアのAIチップ需要
エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は「AIのゴッドファーザー」として知られており、8月28日に予定されている第2四半期の決算報告では、2025年までのAIチップの「膨大な需要の軌跡」について語ることが予想されています。この発表は、エヌビディア株にさらなる追い風をもたらす可能性があります。
今年に入ってから、エヌビディアの株価は151.6%の上昇を記録し、S&P 500指数の中でも最もパフォーマンスの高い銘柄となっています。AI関連企業としては、スーパー・マイクロ・コンピュータ（SMCI）がエヌビディアに次ぐ2位にランクインしており、今年121.2%の上昇を見せています。
まとめ
エヌビディアは一時的な弱気相場に見舞われましたが、再び強気派が主導権を握り、株価は急速に回復しました。AI革命の中心に立つエヌビディアは、今後も大きな成長を遂げる可能性が高く、投資家にとっては引き続き注目すべき銘柄です。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA