8月15日、アルファベットのクラスA株(GOOGL)は、0.58%上昇し、終値は161.3ドルを記録しました。これは、前日の2.3%下落からの回復を示しています。この下落は、米国司法省がグーグルの分割を含む独占禁止法違反の疑いについて検討しているという報道がきっかけでした。しかし、市場は次第にこの懸念が過剰であると認識し始めています。
グーグルの分割案:現実味のない脅威?
14日にブルームバーグ・ニュースとニューヨーク・タイムズ紙が報じたところによると、司法省はグーグルの主要事業であるChromeブラウザとアンドロイドを分割する案を検討しているとされています。これにより、アルファベットの株価は2.3%下落しました。通常、株価が安定した動きを見せる企業にとって、このような大幅な下落は市場に与える影響が大きいと言えます。
ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、過去10年間におけるアルファベットの株価変動は平均して1.2%程度であり、今回の下落はその約2倍に相当します。しかし、15日の取引では0.6%の上昇を見せ、市場はグーグルの分割が現実的ではないと見始めていることを示唆しました。
歴史的事例から見るグーグル分割の可能性
独占禁止法に関する訴訟案件を振り返ると、かつてのAT&Tの解体が思い起こされます。しかし、米国みずほ証券の株式トレーディング・ディレクター、ダニエル・オレーガン氏は、「AT&Tはサプライチェーン全体を支配していたため、分割は避けられなかったが、同じ状況がグーグルに当てはまるとは言い難い」と述べています。
司法省の課題とグーグルの防衛策
司法省がグーグルを分割するためには、現行の事業構造が消費者に対して有害であり、分割がその問題を解決する手段であることを立証する必要があります。しかし、その立証は容易ではなく、グーグルの事業分割が実現する可能性は低いと考えられます。
まとめ
アルファベット株は、14日の急落から回復し、再び安定を取り戻しています。市場は徐々に、グーグルの分割が現実的ではないという見解を強めていますが、独占禁止法訴訟の行方はまだ不透明です。投資家は、今後の司法省の動向を注視する必要があります。
*過去記事 アルファベット GOOGL