エヌビディア（NVDA）の次世代チップ「Blackwell B200」が設計上の欠陥により出荷が遅れる可能性があるとの情報が8月3日、報じられました。もしこれが事実であれば、数十億ドルの売上が2024年後半から2025年初頭にずれ込む可能性があります。
出荷遅延の背景と影響
テック系ニュースサイト『The Information』は、複数の業界関係者の話を引用し、Blackwell B200チップの量産出荷が約3ヶ月遅れると伝えています。このチップは次世代の人工知能アクセラレーション・チップであり、エヌビディアを世界で最も価値のある企業の一つに押し上げた要因の一つです。
エヌビディアの現世代のHopperチップに対する需要は依然として生産量を上回っており、Blackwellチップの量産開始は2024年10月と予想されています。しかし、もし遅延が発生すれば、B200からの売上は2025年4月期にずれ込むことになります。
エヌビディアの公式コメント
エヌビディアはバロンズに対し、「Hopperの需要は非常に旺盛であり、Blackwellのサンプリングが開始され、生産は下期に立ち上がる予定」と述べ、これ以上の噂にはコメントしないと述べたそうです。
データセンター投資とエヌビディアの役割
テック業界の大企業は、OpenAIのChatGPTやグーグルのGeminiなどの生成AIモデルを動かすためのデータセンター建設に数百億ドルを投資しています。アルファベット（GOOGL）、アマゾン・ドット・コム（AMZN）、マイクロソフト（MSFT）、メタ・プラットフォームズ（META）が6月に終了した第2四半期に約600億ドルを投資しており、その多くがエヌビディアの製品に費やされています。
B200チップの売上予測
Blackwellアーキテクチャは複数の種類があり、B100チップとB200チップが予定されています。特にB200チップはより強力で需要が高いとされています。米国みずほ証券のアナリスト、ビジェイ・ラケシュ氏は、エヌビディアはB200チップに3万ドル〜4万ドル、GB200に5万ドル〜7万ドルを請求できるかもしれないと推測しています。
UBSのティモシー・アークリ氏のモデルによれば、2025年1月期四半期におけるB200チップの出荷数は約32,500個、GB200モジュールの出荷数は約43,400個と予測されています。これらの出荷による売上は約30億ドルに達し、同四半期の総売上高の9%に相当します。
まとめ
エヌビディアの次世代チップ「Blackwell B200」の出荷遅延は、短期的な売上に影響を与える可能性がありますが、Hopperチップの旺盛な需要がその影響を緩和すると見られます。エヌビディアは依然としてテック業界の巨人たちにとって重要なパートナーであり、その市場価値は引き続き高いままであると予想されます。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA