アマゾン（AMZN）の最新決算は、市場にとってまちまちの評価となり、さらには軟調な雇用統計が重なり、8月2日の米国市場で株価は急落しました。株価は1日で8.78%下落し、この2年間で最悪の日となりました。この記事では、アマゾンの決算内容とその影響について詳しく解説します。
株価の動向
アマゾンの株価の2日の終値は167.9ドルで、今週の下落率は8%となりました。主要株価指数も下落しており、ハイテク株比率の高いナスダックは2.4%下落し、現在調整局面にあります。
売上高の未達とガイダンスの影響
アマゾンの株価が下落した主な要因は、売上高の未達と期待外れのガイダンスでした。アナリストは6月期の売上高を1487億ドルと予想していましたが、実際には1480億ドルにとどまりました。第3四半期の売上予測についても、アナリスト予想の1582億2,000万ドルに対し、アマゾンの見込みは1540億ドル〜1585億ドルと控えめでした。
アナリストの評価
ウィリアム・ブレアのアナリスト、ディラン・カーデン氏とアルジュン・バティア氏は、「売上高をミスし、小幅でも下方修正するのは、現在の市場では厳しい」と指摘しつつも、アマゾンの格付けを「アウトパフォーム」としています。
小売売上高と消費者行動の変化
アマゾンの小売売上高の伸びも懸念材料です。好調なクラウドビジネスを除いたその他の事業は8.4%増にとどまり、予想を下回りました。アマゾンのCEO、アンディ・ジャシー氏は、「消費者は価格に慎重になっている」と指摘し、インフレが消費者行動に影響を与えていると述べました。
収益のポジティブサイド
しかし、一株当たり利益は1.26ドルとなり、アナリスト予想の1.03ドルを大きく上回りました。クラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス（AWS）の売上高は19%増の263億ドルとなり、アナリスト予想の260億ドルを上回りました。広告サービスも20%の成長率を記録しました。
投資と成長戦略
アマゾンは成長を促進するために大規模な投資を行っており、第1四半期の139億ドルから第2四半期には164億ドルに急増しました。これは他の大手テック企業を上回る額です。また、AIと生成AI事業への投資についても強気な姿勢を示しています。
今後の見通し
アマゾンは、ブロードバンド・インターネット衛星ネットワーク「プロジェクト・カイパー」の立ち上げや、現在マイアミ、フェニックス、シアトル、その他数都市で展開している即日薬局サービスの拡大など、さらなる成長戦略を計画しています。
まとめ
市場のネガティブな反応にもかかわらず、多くのアナリストはアマゾンの株を「買い」と評価し、明るい見通しを維持しています。
アマゾンの最新決算は、売上高の未達やガイダンスの控えめさがネガティブな影響を与えましたが、クラウド事業やAIへの投資など、長期的な成長戦略に期待が寄せられています。投資家は引き続きアマゾンの動向を注視する必要があります。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN